
arctic
@arctic
2026年3月18日

今夜だけ生きのびたい 【電子限定おまけ付き&イラスト収録】
星名あんじ,
おにぎり1000米
読み終わった
BL小説500冊超読破した人間として言わせてもらうが、この小説はまじでめちゃくちゃ良かった。読み終わるのが心底惜しかった。さびしさすら感じる。
真に素晴らしいBL小説は、否定神学のように「◯◯でない」という形式でしか語ることができない。
設定を説明するための小説でなかった。
知識をひけらかすための小説でなかった。
イベントを消化するための小説でなかった。
バカが出てきて騒ぐだけの小説でなかった。
不幸自慢の小説でなかった。
宮廷内派閥の歴史を紐解く親子の会話と、情熱的な閨事の描写を同時並行展開してるところが、あまりにも美しい流れで、一旦読むのやめて思わず目を閉じて噛み締めるほど最高。
ところで、『悪を打ち滅ぼしたあと国家権力に持て余される勇者や戦士や軍隊』は異世界モノで描かれることの多いテーマのひとつである。このテーマについて、物語の本筋にはそれほど関係のない部分ではあったが、興味深いやりとりがあって特に印象に残っているので引用する。
「戦うしか能のない者たちを常に抱えておくこと以上に、国を治める者にとって危険なことはない。戦いがないときは自分の本来の持ち場でそれぞれの仕事を喜んでするような、そんな兵から成り立つのが理想的な軍です。職業的な軍人は──彼らは、戦いが起きれば真っ先に戦場へ投入され、そのまま死ぬことを仕事とする。死ぬための道具となるしかない者たちをつねに抱えるのは、為政者にとって危険なことです。平和になったとき、彼らは何をすればいいのか」
「戦いに訴えねばならない場合に、自国の民からなる軍を持っていない国や──指導者は恥じて然るべきだ。そんな軍隊を持たないのは、べつにその国に兵を使える者がいないということではない。ただ、民に自国を守るために立ち上がる気概を持たせられなかった、ということを、国外に表してしまうことが問題なのだ」
はーーーーーおもしれーーーーーーーー!!!

