
りなっこ
@rinakko
2026年3月19日

読み終わった
再読。素晴らしい読み応え。世紀末ウィーン、欲望と虚飾の都ハリウッド、鴉片戦争後の上海租界…の三都を舞台に、貴族の家に生まれ幼少時に分離させられた双生児のたどる数奇な物語が描かれる。其々の魔都の頽廃した雰囲気に陶然とした。
跡取りになったゲオルクと、存在を消されたユリアンはまるで光と陰(ポジとネガのようでもあり)だ。でもだからこそ、ユリアンだけがツヴェンゲル(小人と天使の間の子!)と共にゲオルクには届かない光に包まれていく終盤に、溜息しかない。
映画監督になったゲオルクが作品の着想を得ていく過程では、造詣の深い著者ならではの描写(頭の中で映画が出来上がっていく感じが凄い)に圧倒され感嘆した。
京劇(マンダリン・オペラ)の『木蓮従軍』やシューベルト『魔王』、挟まれるホフマンスタールの詩の印象も忘れがたい。





