

りなっこ
@rinakko
寒がり変温動物。にょろにょろしている。本を読む。
アイコンは、以前お迎えした “わたくしは誰でもない。あなたは誰?” のエミリー。
- 2026年6月4日
- 2026年6月1日
月にひらく襟鳩山郁子読み終わった再々読。本の荷造り中にて、寄り道。 “孤独や感傷癖は完全に少女の感覚(モノ)であり、それらを持たないことで苦しむ存在こそ、少年たちなのである。少年を描こうとするとき、孤独の美化は禁物だ。” “少年の心臓は柘榴(ざくろ)でできている。循環する真紅(ルージュ)の切子玉(きりこだま)。凍てついた白磁(ビスク)の貌(かお)、眸(ひとみ)の色は瀝青鉱、半ばひらかれた唇は紅玉(ルビイ)。彼は左手に繃帯を巻き、透徹った水で咽(のど)を潤す。” (「螺子式少年の処方(レシピ)」長野まゆみ) - 2026年5月30日
- 2026年5月25日
なぜ、これが名画なの?秋田麻早子読み終わった - 2026年5月21日
赦しへの四つの道アーシュラ・K・ル・グィン,小尾芙佐,鳴庭真人読み終わった久しぶしに読む〈ハイニッシュ・ユニバース〉の世界(「裏切り」は訳違いで再読)だったが、ずしりと重く、受け止めるのが辛くなるところも含めて流石の読み応えだった。1995年の時点で既にここまで書いていたのか…とあらためて慄く。 歴史は学ばれ続けなければならないこと。「ある女の解放」の主人公が書物に出会い、“読書はわたしの自由の核となるものだった”と回想する件が響いた。 - 2026年5月19日
- 2026年5月13日
- 2026年5月8日
絵小説皆川博子読み終わった再々読。偏愛本。5月なので、「美(うるわ)しき五月に」を読もうかな…と手に取った。まず詩篇が選ばれ、その詩からの発想で絵が描かれ、詩と絵をもとにした6つの物語が創られた。どの作品も好きだが、「キャラバン・サライ」の“わたし”が『閉された庭』や『マテオ・ファルコネ』を読んでいるところでつい嬉しくなる。 「赤い蝋燭と……」や「塔」「あれ」も、稚い子どもの視点で描かれる。遠い記憶の断片から、あの「ふと気が付いたら存在させられていました」とでもいうような心許なさが呼び起こされてしまう。
- 2026年5月7日
トマト・ゲーム皆川博子読み終わった再々読。容赦のない毒のきつさに慄く、闇を飼うようにインモラルな初期の短篇集。これだけ纏めて読むと、狂気も倒錯も凄まじくてくらくらしてくる。ただ、私は「アルカディアの夏」を偏愛している。主人公の令は愚かな少女かもしれないけれど、身につまされて、あんな風に解き放たれることをかつて夢見た…と思う。 他、「獣舎のスキャット」は人でなしな姉弟の話で本当に酷いww - 2026年4月30日
土人形と動死体円城塔読み終わった頗る面白かった。お馴染みのファンタジー設定も、この作者の手にかかればこうなるのか…と驚嘆することしきり。魔術的な措置によって屋敷と一体化して生き続ける大魔術師ノーシュと、拡大を続ける迷宮。誰もが魔力を持ち、生命とは何かの魔術であるとする人々の世界では、その能力を持たない者は人間として認められず、ソウルレスと呼ばれ同死体そのものだとまで言われる存在だ。では、そも魔術とは何ぞや…(ノーシュ曰く「魔術は無駄だらけ」)。果たして魔術は魔術で消せるのか。 長命種の竜クメヌさんが好きだった。 - 2026年4月28日
呪文の言語学角悠介読み終わったとても面白かった。ルーマニアが今でも魔女大国である歴史的理由は、カトリックではなく正教会の東欧では魔女狩りが殆ど行われず魔女が存続できたこと。そうして連綿と、生活の知恵としての魔術の担い手の女性たちは、あくまでも村の一員としての魔女であり続けた。 ルーマニアにおける魔術は「特権的かつ大衆的」という独特なもので、使われる呪文は生きた口承文学だった。ではその呪文は、普通の言葉とどこがどう違って魔力を得るに至るのか…と、具体的に幾つもの呪文が分析される。序盤に出てくる過去の話(留学ないないとかw)も楽しかった。 - 2026年4月24日
丸いもののもつ慰めクレメンス・J・ゼッツ,犬飼彩乃読み終わった奇想というわけではないが奇妙な味わいの短篇集だった。何とはなしに不安を掻き立てられたり、この展開をどう受け止めたらいいのだろう…と心許なくなる感じは『インディゴ』を読んだ時にもあったかもしれない。 「痛みも分かちあえば」はまさに不安にとり憑かれた男の話で辛いw 好きだったのは「迷惑メール」とか「クラス写真」、あと「そのネコはラランドの天空に住む」は、雰囲気はゼーバルトなのに内容が変…?で面白かったですw - 2026年4月22日
愛と髑髏と皆川博子読み終わった再々読。素晴らしい。めぐる毒に居竦みつつ、少女たちの骸に寄り添ってそこに刺しとめられる読み心地。第五短篇集にして秀作が揃い、とりわけ「風」から「悦楽園」「猫の夜」「人それぞれに噴火獣」の流れが大好きだ。 そして読み返すたび、服部まゆみさんの解説で胸がきゅっとする。 - 2026年4月21日
記銘師ディンの事件録 木に殺された男ロバート・ジャクソン・ベネット,桐谷知未読み終わった頗る面白かった! 司法省捜査官アナ(変人天才中年女性)とその助手ディン(童顔坊や優秀愛想なし)のバディぶりも、つくり込まれた異世界も大好きだ。 神聖カナム帝国は、雨季の度に海から巨獣の襲来があり辛くも撃退を繰り返していた。国を守るのは、生体改変の技術によって特殊能力を得た卓越者たちの軍組織だ。高官の体から巨大な木が生えてきたという禍々しい謎の死から2人は捜査を始めるが、そこからもっと大きな陰謀事件に繋がっていく…。 ミステリーとしてもとても楽しんだ。薬液鍵とか羊歯紙、錬薬官といった独特な言葉にも魅かれた。 - 2026年4月15日
ノスタルジーバルバラ・カッサン,馬場智一読み終わった再読。どこにいても、ここではないどこかへ帰りたい…という気持ちになるのは何故だろう。時に焦がれるように。ノスタルジーとは何に対する郷愁なのか。 『オデュッセイア』ではさまよいと帰還が、『アエネーイス』では逃亡と落ち延びがキーワードとなり、いずれにしてもノスタルジーには二つの面があるという。帰還の欲望と、見つけることのできない理想への憧憬と。さらにアーレントの章では、「根を張る」とはどういうことなのかが考察される(母語を故郷とする場合、その根は空中に張られなければならない…)。 - 2026年4月13日
ヨルガオ殺人事件 下アンソニー・ホロヴィッツ,山田蘭読み終わった再読。面白かった! “複雑に絡みあった謎がきっちりと解かれていく過程” そのものが、アガサ・クリスティへのオマージュなのだとあらためて感嘆した。早速ドラマも観始めたw - 2026年4月12日
- 2026年4月9日
- 2026年4月8日
タイム・シェルターゲオルギ・ゴスポディノフ,寺島憲治読み終わった頗る面白かった。事の始まりは、老人の記憶障害の治療に“過去”が有効だったこと。記憶を失くした人たちに、彼らの内的な時間に合わせた空間(60年・50年・40年代…)を作って幸福の記憶をもたらしたことだった。けれどもその“過去”への傾倒というウイルスは、急速にヨーロッパ中に広まってしまう。 人の意のままには出来ないはずの記憶を、“時代の記憶”という目に見える形にしてそこに留めておく…という試みの結末。記憶と忘却をめぐる語り手(とガウスティン)の断片的な思索と、“ボルヘスの二重化の遊び”に引き込まれた。 - 2026年4月3日
トロイの女たちパット・バーカー,北村みちよ読み終わった素晴らしかった。冒頭の場面がいきなりトロイの木馬の腹の中wで、さぞや逞しかろう男たちの鮨詰め状態の息苦しさはこの先の展開を示唆するようだった。常に英雄たらんとする行動原理の苦しさを。 一方女たちは、誰かの戦利品でありつつ其々のやり方で誇りを失わないように必死に生きるし、その為に連帯もする。王妃から奴隷の身になり敵アキレウスの子を宿したブリセイス、運命に抗うアミーナ、トロイア王妃ヘカベや王女カッサンドラ、アンドロマケ、誰にも好かれないw世界一の美女ヘレネも。 (で、“オデュッセウスが真っ先に発った。”ですよ。オデュッセウスw)
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