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りなっこ
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@rinakko
寒がり変温動物。にょろにょろしている。本を読む。 アイコンは、以前お迎えした “わたくしは誰でもない。あなたは誰?” のエミリー。
  • 2025年5月19日
    シェイクスピア全集32 ジョン王
    シェイクスピア全集32 ジョン王
    再読。イングランド史上最悪の王と、散々な言われようなジョン王。優柔不断で判断力に欠けたためにフランス領をすべて失い、臣民からの突き上げを食らってマグナカルタを認め、甥の命を奪い、教皇から破門された後に許しを請う…となると、一人でそんなにか凄いなと感心するw(しないw) そこが面白いのじゃが。 カリスマ性のない王と、その王を見捨てず言葉を武器にのし上がっていく「私生児」の組み合わせが妙。  “狂った世界、狂った王たち、狂った妥協!” “国王でさえ「私利私欲」のために約束を破るご時勢だ、/利得よ、俺の君主よ、俺が崇拝するのはお前だ。”
  • 2025年5月17日
    シェイクスピア全集 (2) ロミオとジュリエット (ちくま文庫)
    シェイクスピア全集 (2) ロミオとジュリエット (ちくま文庫)
    再々読。 松岡訳のジュリエットは可愛いなぁ…としみじみ。出会った日のうちに自分から結婚のことを切り出す芯の強さと真面目さ、一途で率直で勇敢なところも、本当に素敵な女の子だ。一方のロミオには「ちょっと頭冷やせ」と言いたくもなるけれど、思春期の衝動から死へ向かう危うさを体現する人物ではある。 ふたりが一目惚れの恋に突っ走り死に飛び込んでしまう結末は、俗な世界に老いた身内を置き去りにして、彼らには届き得ない高みへ翔け上っていってしまったようにも思える。この結末しかないことに嘆息。 材源になった話は、ふたりに対して批判的な内容だったらしい。シェイクスピアはこの作品で、幼い恋人たちに寄りそう。
  • 2025年5月15日
    五匹の赤い鰊
    五匹の赤い鰊
    こちらも面白かった。釣りと絵画を愛好する人々(セミプロかプロか)の共同体カークーブリーで嫌われ者の画家の死体が見つかり、他殺とわかった時点で容疑者は画家に絞られる。それは画家にしか出来ない犯行だった。  “ギャロウェイに住む者は、釣りをするか絵を描くかのどちらかだ。〈どちらか〉といっては語弊があるかもしれない、というのも、画家の大部分は余暇には釣師となるからだ。” …という冒頭の一文、本当にその通りだったw
  • 2025年5月10日
    鏡子の家
    鏡子の家
    「あの本、読みました? 生誕100周年 三島由紀夫スペシャル」を見た。そして懐かしさで胸がちくちく。 (三島が一番気に入っていた作品が『鏡子の家』というのは、私には有名な話だったけど。読み返したくなってしまったw) 昔々、私の初三島は『沈める滝』で(なぜw)、それから『音楽』『午後の曳航』…と、目に付いたものから読んでいた。当時はまだ10代の後半、代表作を後の楽しみに態と残しておくという読み方をしていた。今はもう、そんな悠長なことは出来ない。贅沢なことしてたんだなぁ…と。
  • 2025年5月8日
    石の扉
    石の扉
    キャリントンの描いた世界や人の姿を思い浮かべて読むと、どの物語もしっくりきて一層魅かれる。表題作中篇と短篇19篇。神秘へ分け入ろうとする思考、救済手段としての魔術や占星術への傾倒、夢の領域での交感…など。 死者の国にいる女性が、石の扉を開けて欲しいと生者の国にいる相手(魂の片割れのような)に呼びかける表題作は、著者自身の再生神話として書かれたそうだが、鮮烈なイメージがめくるめいて感嘆した。 とりわけ好きな短篇は「彼らが丘の斜面を駆けたとき」「鳩よ、飛べ!」「エト・イン・ベリクス・ルナルム・メディアリス」 解説もとても素晴らしい
  • 2025年5月2日
    シェイクスピア全集 (4) 夏の夜の夢・間違いの喜劇 (ちくま文庫)
    再々読。執筆順を意識しながら読み返しているのだが、このふたつの作品が書かれた時期は少し離れていて、「間違いの喜劇」がフリー時代で「夏の夜の夢」は大臣一座時代のもの。 互いの存在を知らない二組の双子が巻き起こす混乱からの、長い別離を経た家族が再会を果たす「間違いの喜劇」。アイデンティティが揺らぎ狂気と夢の境界をさ迷うようなワルプルギスの夜(五月祭)の恋人たちが、愛を取り戻す顛末「夏の夜の夢」。後者は脂が乗り始めてきた頃の傑作であることがよくわかるし、私は前者のわちゃわちゃ感も好きだ(まさに“ややこしや!”)。
  • 2025年4月30日
    バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 下
    素晴らしい読み応え。ファンタジーではありつつ、19世紀前半の英国が世界を支配した仕組みを暴く側面は歴史小説でもある。タイトルから想像してしまう事が気になって、主人公たちは一体どうなっていくのか目が離せなかった。 オックスフォードの翻訳研究所で同期として出会ったロビンたちが、急速に親密になり互いにしがみつくように信頼し合っていた日々を振り返ると、何故この四人だったのか…と胸が痛い。所々に挟まれたロビンの回想の言葉から、何か哀しいことを予想してはいたけれど。 “暴力の必要性”という重い問題提起がある一方で、様々な言語の成り立ちや背景、そしてその言語間における翻訳行為の奥深さにも思いを馳せる物語だった。 完璧な翻訳の不可能性は、あらゆる言語が尊く美しいということの証左になる。
  • 2025年4月28日
    バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 上
  • 2025年4月23日
    毒を食らわば
    毒を食らわば
    面白かった! そしてドロシー・L・セイヤーズを読むのは3冊目にして、ピーター卿とハリエットの馴れ初めを知ったよ…w 〈猫舎〉の有能なクリンプスン嬢やマーチスン嬢の寸劇みたいな活躍ぶり、はらはらして楽しくて彼女たちが好ましかった。
  • 2025年4月21日
    エドワード三世
    エドワード三世
    初期の歴史劇で、シェイクスピアの作品として認められたのがここ数十年のこと、共同執筆説と単独執筆説があるらしい。 エドワード三世はイングランドにおける偉大な王のひとり(ガーター勲章の創始者)だが、いま一つ名君という描き方はされていなくて、当時のチューダー朝への配慮だったのかも知れない。前半における伯爵夫人への強引な求愛は如何なものか。 黒太子は流石に凛々しくて、訳者による“ハムレットと全く同じ死生観”という指摘にもなるほど…と。
  • 2025年4月18日
    シェイクスピア全集(12)
    シェイクスピア全集(12)
    再々読した。 最初期の悲劇。ローマの将軍タイタスが凱旋する場面から始まるが、その後の展開はただただ酸鼻。残虐な暴力がこれでもかと続き、夥しい血が流される。 繰り返す殺害と復讐の連鎖は、訳者あとがきでラヴェルの『ボレロ』の長い高揚に準えられていて、まさにその通りだった。声も言葉も発することなく殺されていく登場人物たち、とりわけラヴィニアの扱いは凄まじい。彼らの憎しみを煽るムーア人の存在も相当にグロテスクだ。 ぞっとしながら引き込まれる話で、エリザベス朝には人気が高かったらしい。
  • 2025年4月17日
    じゃじゃ馬馴らし シェイクスピア全集20 (ちくま文庫)
    再々読。がみがみ口喧しいキャタリーナと淑やかで可愛いビアンカ、真逆タイプの姉妹とその求婚者たちをめぐる初期の喜劇(だが笑えないw)。 稀有な個性を理不尽に矯正(!)されるキャタリーナが可哀そうで、強引に夫となったペトルーチオに頗る腹が立つ。強情な妻を夫が矯正して大人しくさせる話、昔は世界各地に数多あったそうだ(失礼しちゃうわい)。 終幕のキャタリーナの長台詞がどこまで本心なのかわからないし、きっと本心じゃない…とでも解釈しないと酷い話で終わってしまう。
  • 2025年4月16日
    饒舌な名画たち 西洋絵画を読み解く11の視点
    とてもよかった。著者の透徹した文章に惹かれてやまないので、絵画を巡るこの本も読みたくなった。 11の其々の章は、ある絵画へと導かれていく経緯や情景から始まり、絵画の中の物語を潜り抜けて戻ってきたときの現実のふとした揺らぎで締めくくられ、そこだけ小説のような絵画の旅になる。 キリスト教や神話に基づく決まり事、聖なるものを「見る」ことの意味。かつて画家は、失われゆくもの、移ろうものを留めることが出来る唯一の表現者だった。美と妖艶さで女性たちが飾り立てられ、その行為の背景を奪われたこと。など。
  • 2025年4月16日
    チボの狂宴
    チボの狂宴
    マリオ・バルガス=リョサ、昔かなりはまって読んだ時期がある。フリアとシナリオライター、緑の家、チボの狂宴、世界終末戦争、悪い娘の悪戯、パンタレオン大尉と女たち、ドン・リゴベルトの手帖、ラ・カテドラルでの対話、密林の語り部…(等々)。 何を読んでも頗る面白くて感嘆していたけれど、健全な作風は元々私の好みだった訳ではなく、だんだん読まなくなってしまった。 でも今でも読めば、きっと引き込まれる。いつかまた読みたくなるかも知れない。
  • 2025年4月11日
    シェイクスピア全集27 ヴェローナの二紳士
    再々読。 初期(フリー作家時代)のドタバタ喜劇。宮廷恋愛もののパロディとしても読める。恋人の心変わり、親友のあっ気ない裏切り、突拍子もない主人公の転身、シェイクスピアお得意令嬢の男装…と、突っ込みどころも満載な展開を経て、二組の男女が結婚へ漕ぎつける。 のだが、「え、本当にそれでいいの?」と読む度に新鮮に唖然とする(だってプローティアスってただのク…)。 いよいよ大団円の場面での大顰蹙ずっこけ名台詞に持っていかれるけれど、つまり“やっぱり恋より友情だ”と言いたい訳か(それにしても極端な)。 めも)手紙と縄梯子と犬
  • 2025年4月10日
    クラウド
    クラウド
    再読(本整理の寄り道)した 〈円形の図書館の中に立ちながらわれはファウスト四方を呼ばう〉 〈風通り三番地に住むドラゴンは窯から出されたままの素裸〉 〈アルチンボルドの頬骨あるいは緑が丘 だまし絵ばかりの夏は来にけり〉 〈かぼちゃ族の真摯な愛はうたがえぬ陽の色をしたどくろとなるまで〉 〈フォーリナーとしてこの惑星を行く風はかつて散らした文明を見ている〉 〈宇宙にはバオバブの根がみなぎって幾度も生まれてくるゆめの蝉〉 〈ごまだれにそばを浸して茶屋にいる浪人の髭も光ったであろう〉 〈鐘を撞こう とおいい空に 首里 新羅 シレジア すべて鞘走る子音〉 お久しぶりの歌集は好きな歌が前とは少し違う
  • 2025年4月9日
    新装版 図説 不思議の国のアリス
    『詳注アリス』の余韻でこちらも。図版やイラストが多くてよかった。コラムを読んだら未読の『スナーク狩り』にも俄然興味が湧いた。
  • 2025年4月8日
    詳注アリス 完全決定版
    詳注アリス 完全決定版
    久しぶしにアリスを読み返したくなり、未読のこちらにしたら大満足の読み応えだった。アリスの詳注本を出すと、無数の研究熱心な読者から新しい注の提案や訂正が届き、それらによって「詳注アリス」はパリンプセストだった…という話も好きだ。 そうして膨大になった注の中には、敢えてミニ・エッセーのように少しく逸脱して書かれたものもあり、注釈者の思い入れや拘りも伝わってくる(とりわけ白のナイトの件はぐっときた) リドゥル姉妹やテニエルのエピソード、私的ジョーク、ヴィクトリア朝の習俗について、チェスの展開に合わせた解釈…などなど、たっぷり詰まっていて頗る楽しかった。
  • 2025年4月8日
    葬送のフリーレン(14)
    葬送のフリーレン(14)
  • 2025年4月5日
    スピン/spin 第11号
    スピン/spin 第11号
    先ず嬉しく読んだのは、大滝和子の短歌「ジャングルジム」と皆川博子の俳句「忘れ蛍」。 続きが気になっていた一穂ミチ「ハイランド美星ヶ丘」や、恩田陸「そして金魚鉢の溢れ出す午後に、」は今回も面白かった。 [表紙の紙]フレンチマーブル と[目次の紙]江戸小紋 かすみ は、見ても触っても心地よい素敵な紙だった。
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