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@star-Ol
2026年3月20日
人形館の殺人 <新装改訂版>
綾辻行人
読み終わった
以下、ネタバレ注意です。
今回のはミステリーというより、「私」の心情を楽しむ本だったと思います。
かなり最初の方からなんとなく「私」が犯人だろうなと思ってました。
本人は本気で悩んでるようだったから、多重人格で知らないうちにしたのだろうと。
本人なら鍵で開けられるし。
「私」の歪な面や違和感が、読み進めるうちにどんどん強くなりました。
最初から、今まで保護者になんでもしてもらっていたゆえの何もできない子どもっぽさを感じていました(沙和子との共依存も)。
さらに嫌がらせ後も、大人としての対応がなく他人任せで誰かに助けを求めてばかりの、小学生のまま内面の時間が止まっているように感じました。
たとえばもし小学生から引きこもっていても、SNSやゲームなど何かで人と絡んだりそうでなくても時間とともに心が変化すると思うが、それを感じなかった点で子どもの頃のある時点の精神的ダメージで心が止まっているのだなと。
(2本の線や石もすぐ列車事故に繋がりました。)
また、道沢に絵を見せて話していた時の「私」がわずかに好戦的で違和感があり、多重人格の可能性をさらに感じました。
電話での島田にしても、今までとどこか違和感がありました。
島田が言わなそうなことばかり言っていたり。
推理しても「私」が微妙そうだとすぐに発言を撤回してちがうことを言ったり、イエスマンなチャットGPTのようで、「私」に都合がいいなと思いました。
ちなみに、道沢が襲われた時も、犯人を捕らえた描写がないのに1人で帰らせるのもおかしかった。
島田と話してる時の「私」に関しても、物語が進むにつれ、どんどん幼い子ども化してるのが
目立った。
その他にも、「私」の内面の声では違和感が多かったです。
子ども殺しに関しては、辻井がいつも子どもがうるさいと言っていたが、まさか手を出すとは思ってなかったです。
ただ、いつ現実で起きてもおかしくはないリアリティはありました。
日本は住宅が密集してるし子どもの度を超えた騒音(道路族や、家のなかや店の中でも大騒ぎするなど)が社会問題になっているので。
実際に事件もありましたし。
結構子ども放置して騒がせてる親いるし、恨みを買ったらやられる可能性を考えた方がいいと最近特に思います。
近所の人が火事の後に「子どもが入って遊ぶと危ないから早くなんとかして」と苦情入れてるのが気持ち悪い。
他人の敷地内のことだし、家が燃えてしまった人に言うことじゃないと思う。むしろ、親がよその敷地内に子ども入らないように躾るのが普通。モンスターすぎる。
人形については、欠けていると読んだ時点で、金田一少年の事件簿の異人館村殺人事件を思い出しました。
好きな事件で何回も読んだので。
人形の向きの話が出た瞬間すぐ視線にも気づきました。
建物については、中村青司の館というには、隠し通路などの描写がなかったですし、中村青司の子どものようないたずら感や美学、わくわくする感じがしなかったので、ちがうのではと思ってました。
作中でも確定はしてなかったので。
それに、もし中村青司の館なら、「私」が秘密の通路を探すために家中荒らしたのも、ミステリとしては禁忌だと思う。
最後、「私」に関して語られているところ結構好きです。
いろいろと思うところがありました。
少し仙水忍を思い出したりも。
架場の意味深な終わらせ方もよかったです。
でも、島田が出ないと物足りないですね。
