
あがさ
@agatha_1881
2026年3月20日
僕は、そして僕たちはどう生きるか
梨木香歩
かつて読んだ
2024年夏頃に読んだ本。
最初の30p程読んだ段階で、この本は自分にとって本当に良い栄養になる本だと直感するような作品だった。余りにも文章が心に染み込むので、感動した記憶。普段から自分が良いな〜という本を読んでは来ているが、これはここ近年稀に見るよい出会いだった。
タイトルから察せられるように、名著『君たちはどう生きるか』要素を取り入れていて、物事について自分自身の頭で思考しながら、道徳心を持ってリベラルに生きるとはどういうことか...という事を考えさせられる内容だったのは、概ね予想通り。けれど、途中からより踏み込んだ内容になっていき、『君たちはどう生きるか』くらいの易しい(=心が辛くならない)教えが来るつもりでいた身としては、多少なりとも動揺した。
環境保全、反戦、性被害、この3点がトピックとして取り上げられていて、特に反戦について慎重に、とても言葉を尽くして物語を通して考えさせられる構造になっていたと思う。単純に「戦争はダメ」と直球で言うだけではなく、主人公達の学校生活での出来事を通して巧みに「戦時下での非日常性、同調圧力の怖さ」を読者に伝えてきていた。
文章の中から、筆者の"怒り"や"祈り"、のようなものが感じ取れ、そういう意味ではとても"思想的"な物語だと思う。しかしそれだったら、ただ思想を述べる文章を書けばいいじゃん、という話になるだろう。そうではなく、"物語"としてこの本を書いたことに、物語の持つ力に託された筆者の願いが感じられた。
