
鷲津
@Washizu_m
2026年3月21日

おるもすと
吉田篤弘
わたしの本棚
『もうほとんど何もかも終えてしまったんじゃないかと僕は思う。間違っていたらごめんなさい。でも、そんな気がする。どうしてかと云うと、次にすることを思いつかないからだ。』
こんな書き出しで始まる、終わりのない小説。2016年の世田谷文学館版は、全てを活版印刷で発刊されたそうです。この講談社版のあとがきにも心残る文章が収められていました
『デジタルによってつくられたものの多くは、どれも同じようなものとなり、人と機械が力を合わせて物を作る面白さを欠いているように思う。この「面白さ」とは、その言葉とは裏腹に「そう簡単にはうまくいかない」という意味で、うまくいかないからこそ、あたらしい知恵や方法が生まれてくる。そもそも、どんなものにもほつれや綻びはあり、じつのところ、個性や「その人らしさ」といったものは、ほつれや綻びのことにほかならない。ほつれはときにユーモアとなり、また、ときにはチャーミングな魅力にもなる。』

