ぶん
@bun1991
2024年12月1日
渇愛
宇都宮直子
読み終わった
◯世間を騒がせた「りりちゃん」への獄中取材を通して、その人物像や事件の背景を追ったノンフィクション。
◯著者が最初は興味本位でりりちゃんに近づきながらも、取材を重ねるうちに見方や感情を揺れ動かせていくところが印象に残った。また、りりちゃん本人だけでなく被害者たちの話も重ねていくことで、単純に善悪では割り切れない複雑さが浮かび上がっていた。
◯りりちゃんは、育った環境の中で大人の顔色をうかがい、ご機嫌を取ることを身につけてきたのではないかと思った。そしてその延長で、相手を搾取する方法を磨き上げ、「おぢ」への攻略法として商材にできるレベルまで高めていた点には、よくないことだとわかっていても、対人掌握術として感銘を受けた。
また、りりちゃんが捕まったのは本人の単純なミスというより、商材を買った一般人がその手法を試し、アフターケアを怠って訴えられたことから警察が商材の存在を知り、主導的な立場としてりりちゃんにたどり着いた流れだった点も興味深かった。個人の問題というより、手法が拡散されたことで事件として表面化した面もあるように感じた。
さらに、被害者の中には、騙されたとわかってもなお裏切られたと思いたくない人や、まだ相手を心配している人もいて、そのことにも驚かされた。人は感情が絡むと理屈だけでは割り切れず、簡単には現実を受け止められないのだと感じた。
