
イイヤン
@h_d_d
2026年3月23日
秘曲金色姫
柴田勝家
読み終わった
複雑な生い立ちを抱えたトー横キッズの少女・キャイコは父親を殺してしまい、SNSで知り合ったジローと2人で死体を海に捨てに行く。そんなキャイコに父親が残した言葉は「金色姫を忘れるな」。金色姫は幼い頃から彼女に父親が教えていた能曲の謡と舞のことだったが、その成り立ちには奇妙で秘された歴史があった。
教養をひけらかすため能の話題をホステスにしゃべるラブホテルのオーナー、大河ドラマの役作りをする大物俳優、金色姫のことを調べて物語の題材にしようとする小説家…金色姫に触れたことで災いに見舞われる人々。キャイコと彼らの運命が絡まり合う。
柴田勝家らしい歴史オカルトミステリー。現代パートと過去パートが作用し合うように交互に差し込まれる構成は、いま物語の中で起きていることは何か大きな運命の流れの中にある出来事だと読み手に感じさせる。「金色姫」に触れてしまった人々の因果をめぐる話は、ちょっと手塚治虫の「火の鳥」を連想した。
