勝村巌 "イザベラ・バードの旅 『日本..." 2026年3月23日

勝村巌
勝村巌
@katsumura
2026年3月23日
イザベラ・バードの旅 『日本奥地紀行』を読む
明治初期に日本を紀行したイギリスの旅行家、イザベラバードの『日本奥地紀行』を宮本常一が読み砕いた 連続講座の口述筆記本。 イザベラバードが明治11年に日本にきて、東北から北海道へ渡って3ヶ月ほど旅した記録について、宮本常一が昭和52年の目線で読み解いていく、という内容。 大変に面白い。歴史を学ぶことは社会の変化について意識することとも言えるんじゃないかと常日頃考えているわけですが、明治11年のイザベラバードの視点を昭和52年の宮本常一の目線で解題したものを、昭和51年生まれの私が令和の観点から読み込んでいくというのは、ほとんどタイムトリップ感覚。 原文を読んでも気づけないような細かいところを宮本常一が丁寧に拾ってくれて、解像度が爆上がりするという優れもの。 東北から北海道を旅するイザベラバードの視点が今から(昭和52年当時)見ると、こう見える、という書き方になるんですが、今は当たり前のことが当たり前ではないし、それはもちろんイザベラバードにとっても当たり前ではない。 しかし、その当たり前も西洋と日本の違いと、今と昔の違いでは微妙に異なっている。そういう点を切り口にして読んでいくとすごく面白い。 東北では外国人が珍しいのか、町中の人が見にきたというが、僕が子供の頃の八戸でも外人が来ると同じように見に行ったものだった。もうそういうことはないが、それも今や40年も前の話なんだな。 とにかく宮本常一が文化や時代の翻訳家としてワンクッション入っているので、大変理解しやすい。 宮本常一の記した『忘れられた日本人』を読む、という網野善彦の本もあるそうで、それも読みたくなってくる。オススメです。
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