
ミオReads
@hanamio03
2026年3月23日

BUTTER
Audible Studios,
松井暁波,
柚木麻子
読み終わった
タイトルが「RECIPE」ではなく「BUTTER」なのが自分の人生を生きることそのものなのだと思った。レシピは分け与えるもの・分け与えたら気分がいいもの・満たされるもの、バターは己を満たすもの・己だけを満たすものなので。
カジマナを思うと、心の薄暗いところが切なくなる。カジマナはかき回すだけかき回すくせに、そこに主義も思想もなく(主義や思想があればいいわけでもないが)、酷いことをたくさんしながら、何一つ満たされてない。
破滅する覚悟もないくせに。カジマナはそう言うけれど、彼女に覚悟があるかと言ったらどうだろう。彼女はただ、反射のように生きているから。サロンドミユコで暴れたことも、リカへのインタビューは全て嘘だと盤上をひっくり返すことも、それは確かにカジマナの意思だが、希望ではない。
正直なところ、雪に閉ざされた地方の田舎で「わたしは本当はこんなんじゃない」と歯噛みしながら息を潜めて過ごす鬱屈した少女時代、にものすごい既視感があって、Audibleながら目を反らして聞いたりもした。でもカジマナって、今生きてる女の、どこかしらに通じるものがある造形だとも思う。
すっごい物語だったなぁ。面白かった。20日くらいかけて聞いたけど、ずっと面白かった。





