八玖 "悪魔の微睡" 2026年3月25日

八玖
八玖
@rock5104
2026年3月25日
悪魔の微睡
悪魔の微睡
芦花公園
シリーズを追っているので購入。  佐々木事務所シリーズはてっきり前作で一区切りと思っていたのでTwitterで告知を見てびっくりした。  前作ラストで喜ばしいとは思いつつも気がかりだったるみの能力問題も進展し、毎度お馴染み片山敏彦や物部さんの活躍もあり、これだけで短編かけるのでは!?という濃密さの手記、目から入ってくるものへの対処(単純なだけに却って実行が難しい)……とほぼすべての要素が最高だった。オチもいつも通りほんのり不穏で良い。  ただ個人的には、事の発端となった青山くんの行動があまり理解できない。毒をもって毒を制す(バケモンにはバケモンをぶつける)にしても、自分でも言ってるとおりまったく制御できてないし、最悪の場合の対処法だってあのレベルで乗っ取られてる状態でやれたのか?という感じ。「先輩が困ってたから」って、お前の選択による影響でもだいぶ困ってたぞ……。まぁ、余計なことをやるやつが発端で怪奇現象が起きるコンテンツなんてごまんとあるし、これは私が今までの作品から受けてきた青山幸喜というキャラクターへの印象と今作のそれとのギャップを受け止め切れてないからだと思う。るみが彼の行動をきちんと責めることが出来なかったのも含めて、このふたりの関係性って思ってたよりも歪なものだってことなのかも。  あとは今回も敏彦の活躍が見れて良かった!「見られる」ことで力を増すものに対しての手っ取り早い対抗策は「より目を惹くもの」をぶつけること!私はこっちのバケモンvsバケモンの方が好きですね。紹介ポストで敏彦の能力が「美貌」になってるの見た時ちょっとびっくりしたんだけど、確かにこれは能力だわ。JDCシリーズの九十九十九とどっちが強いのか戦ってほしい。  手記は皮肉にもほどがある章タイトル、ほぼ完全敗北な結末も好きだけど、物部さんが示したのと同じ解決法を既に直球で書いてあったことが後になって分かるのも良い。臨済の「仏に逢うては仏を殺し……」に関連して「修行によりトランス状態に陥った際に幻覚として仏の姿が見える場合もある」という話を見たことがあるが、やはり追い求めていたものが見えた、手が届いたと思った瞬間が一番人の意識に隙が出来るのかもなと感じた。
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