気過熱 "人間そっくり" 2026年3月27日

気過熱
気過熱
@mar21_y26
2026年3月27日
人間そっくり
人間そっくり
安部公房
そういえば20代の頃にこの本を読んでめちゃくちゃ頭にきたのを思い出した。 というのも、人種に対してああだこうだいう奴らがふと自分に対して「お前は日本人なのか?!」と言ってきたときに理屈では通用しないのだろうなと思ったから。 「お前は日本人なのか?」という問いの無意味さと俗人的に決定される答えというものがこの本で表現されている。 例えば私がそんなふざけた問いをかけられたときに「まずお前から証明してみろ」と反論したとして相手は答えられるのだろうか? 物理的な反論としては免許証や戸籍謄本があるが、これらを私のターンで見せても結局のところ世が荒めば「お前は外国人の仲間だ」と攻撃を受けるのは目に見えているし、ナチスと同じで《自分が気に食わなねければ外国人なのだ》。 そしてそんなばかな問いをしてくる人間の頭の悪さが集約されているとも言える。 あまり話題にならないが、アメリカでも過去に日本人差別とアジア人差別があり、ワンドロップ法という愚かな法律が出来たことがある。 名前の通り一滴でも外国の血が入っていれば外国人であるという法律。 白人の差別は根絶し難い愚かさがあり、米国の白人は全て移民だ。その中において外国人とはなんなのか? 答えは簡単で《気に食わないやつ》のことを指す。本の内容はここまで掘り進まないが、人間であることを証明しろという問いを延々とやる面白さがここにはある。 若い頃の私には全ての退路を塞がれて「なんなんだこの本は!」と頭にきたわけである。いい年こいた大人がそれをやっているのだから笑えない。
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved