石坂わたる
@ishizakawataru
2026年3月28日

「連歌は五七五の長句または七七の短句という短い詩を創作するという点では、短歌や現代俳句と共通します。しかし、その大きな相違点は、共同で詩を創作することだと言ってよいでしょう。
短歌や俳句は自分の感じたことや思ったことを表現します。しかし、連歌は、他人の句に自分の句をつけることによって、共同で新しい世界を次々と描き出すことになります。」
「心地よい達成感や充実感とともに連衆との連帯感を感じることができるのは、座の文学と言われる『連歌』であればこそでしょう。歴史的に見ても、連歌は様々な境遇の人が集まり興じた文芸でした。今日の連歌においても、様々な人が集まって連歌を巻いていくことが楽しさにつながります。若い人や年老いた人、学生にサラリーマンや公務員、年齢や職業も異なる人がいた方が盛り上がることがしばしばあります。初めて座に連なった人が、どのような何を付けるか楽しむことなります。旬には、その人の個性が表れます。旬をどう解釈し、どう展開していくのか、実に様々であり、その人らしさが表れます。連歌一巻を巻き上げたとき、その日初めて会ったにもかかわらず、旧知の人のように感じられてくることも、連歌ならではの良さでしょう。」
「同じ世界をみんなが同時に考えて、そこに別の世界をつけていく。その際、他人が考えた場合に、自分では思ってもみないような転じ方が出てきたりする。自分では思ってもみなかった新たな世界が他人によって開かれるという経験ができる。それは、よろこびであり、興奮です。そんな興奮が何回も何回も連なっていくのが、連歌の世界なのです。」
「連歌という文芸を理解すれば、そのような古典の理解が深まることになります。そして、世界的にも稀な『連歌』という文芸の特性と面白さに気づくことで、改めて日本人というものを見つめなおす契機にもなるに違いありません。」