62yen
@62yen
2026年3月29日
都会と犬ども
マリオ・バルガス・リョサ,
マリオ・バルガス=リョサ,
Mario Vargas Llosa,
杉山晃
読み終わった
圧倒された。
随所に技巧が凝らされているのがよくわかるが、それが読む者を引き込むためにうまく機能していて、ただ続きが読みたくなる。小説を読むよろこびが強く感じられる。
群像劇らしくさまざな立場や視点が入り乱れながら描かれる。暴力を起点に、同調、団結、嗜虐、報復、衝突、友情、裏切りなどが交錯しながら、しだいにそれぞれの人物の価値観が明らかになっていく。
露骨で凄惨な描写にも、どこか真剣さが感じられるような迫力があり、露悪とかではなくてむしろ情熱とか誠実さに支えられているようにも思える。こんなものをなぜ二十代で書けてしまうのか本当にわからない。
こんな圧倒的な長編を2,800円の単行本で読めるのは、現代日本の物価を考えるとちょっと狂っている。新潮社ありがとう。

