62yen
@62yen
- 2026年5月18日
- 2026年5月2日
チボー家の人々[新版] 1 灰色のノートロジェ・マルタン・デュ・ガール,山内義雄,野崎歓気になる新版が出るらしい。全巻揃うのがいつなのか気になるが、ドラマの最新話配信を待つように一冊ずつ買って読んでいくのがいいだろうか。 - 2026年5月1日
未来散歩練習パク・ソルメ,斎藤真理子読み終わったとてもよかった。 翻訳者である斉藤真理子氏の推薦文とあとがきもすばらしく、同時代の隣の国の作家の本をいまこのときに読むことができて幸いだ。 翻訳者の名前は本当によく見かけるので知っていたが、作者のことは知らなかったし、そもそも韓国の文学について何ひとつ知らなかった。 この小説は、2026年の白水社の福袋「新春初歩きセット」に入っていた小説で、「散歩」というキーワードからラインナップしたものと思われる。作品との偶発的な邂逅というのはいいものだなとしみじみ思う。 そして、そういう邂逅こそ散歩的だとも感じる。散歩は日常でもありながら旅のようなところもある。作品の中でも、日常の身体的なリズムというのか、とにかく食べものが具体的に出てくる。パン、コーヒー、ラーメン、キムチ、チャーハン、チゲ、その他名前が覚えられないが本当においしそうな韓国料理たち。そして、おいしいと言って食べる。他方、この小説の人物はひとりなのではなく、散歩の途上で人と出会っていく。散歩は、何か新しいことや未来への扉でもあるのだと思う。 未来に向かう現実の捉え方として「練習」という言葉が選ばれていることも、新鮮なことのひとつだった。めずらしい言葉でもなんでもないし、そういうことを言っている人はこれまでにもたくさんいたかもしれないのに、ハッとするものがあった。 「現在と未来について考える人たち、来たるべきものについて絶えず考え、現在にあってそれを飽きずに探し求める人々は、すでに未来を生きていると思った。絶えず時間を注視し、来たるべきものに没頭し、人々の顔から何かを読み取ろうとする人々は、来たるべきと信じるそのことを、練習を通してもう生きているのだ」 もう少し、作者の他の本や、この訳者による韓国文学を浴びてみたいと思った。 - 2026年4月30日
ペドロ・パラモフアン・ルルフォ,増田義郎,杉山晃読み終わった過去の断片が円環構造に閉じ込められた、死者の書。これが『百年の孤独』を生んだと言われるのも納得した。構成だけでなく繰り出されるエピソードにも共通点を見出せる。 ひとくちに円環構造といっても、『百年の孤独』よりはボラーニョの『2666』に近いつくりになっている気がする。それらの大作たちとぜんぜん違っていて凄みを感じるのは、この小説がそれほど長くない点。無駄が少ない感じがして、はるか昔からある神話のようにも感じられる。 構造とか全体像はそういう印象なんだけど、もっと細部の、人物の粗野な語りや朴訥な語りの中に、ものすごい強さを感じる。個人的にはそこがいちばんの魅力。死者が平気で喋り出すのはまあ、後世のマジックリアリズムで乱発されたせいか新鮮味はなく、でもこれは日本で言うとお盆みたいな土着的な感覚で、特に文学的手法とかではないのかもなと思ったり…… どうでもいい細部かもしれないけど、土を食う女は、この本にも『百年の孤独』にも出てくる。土を食うということは何かの象徴なのだろうか? - 2026年4月16日
- 2026年4月16日
- 2026年4月12日
ビジュアル NASA図鑑 宇宙開発65年の全記録ビル・シュワルツ,ナショナル・ジオグラフィック,岡本由香子読み終わったこういうのはやはり紙の図鑑に限る。ナショジオ感あふれる。ライトかつポジティブな内容で、きっと子どもでも読める。とはいえ、チャレンジャー号の搭乗員が写真付きで紹介された次のページで悲惨な事故が淡々と載っているなど、避けられない話題も。2023年発行で、ちょうど巻末のほうにアルテミス計画のことが少し載っている。 米ソ冷戦が終わらずそのまま宇宙開発競争が継続した世界を描く歴史改変系ドラマ「フォー・オール・マンカインド」を観ておくと元ネタがよくわかって楽しい。史実と混乱しちゃうかなと思ったけど意外と大丈夫。 ところどころ関係者や著名な重要人物の発言が引用されているが、たまに「著者の友人」というのが出てきて、唐突な誰だよ感に笑った。 しかし宇宙探索は地球内の探検とは何かまったく別の高揚感がある。本質的には同じなのかもしれないけれど、宇宙のあり方はふだんの生活の実感とはかけ離れたものであるゆえに、世界に対する認識や好奇心や疑念を揺さぶり続ける。 - 2026年3月29日
都会と犬どもマリオ・バルガス・リョサ,マリオ・バルガス=リョサ,Mario Vargas Llosa,杉山晃読み終わった圧倒された。 随所に技巧が凝らされているのがよくわかるが、それが読む者を引き込むためにうまく機能していて、ただ続きが読みたくなる。小説を読むよろこびが強く感じられる。 群像劇らしくさまざな立場や視点が入り乱れながら描かれる。暴力を起点に、同調、団結、嗜虐、報復、衝突、友情、裏切りなどが交錯しながら、しだいにそれぞれの人物の価値観が明らかになっていく。 露骨で凄惨な描写にも、どこか真剣さが感じられるような迫力があり、露悪とかではなくてむしろ情熱とか誠実さに支えられているようにも思える。こんなものをなぜ二十代で書けてしまうのか本当にわからない。 こんな圧倒的な長編を2,800円の単行本で読めるのは、現代日本の物価を考えるとちょっと狂っている。新潮社ありがとう。 - 2026年3月7日
- 2026年3月6日
世界終末戦争(下)バルガス=リョサ,旦敬介買った - 2026年3月6日
世界終末戦争(上)バルガス=リョサ,旦敬介買った新潮社版が流通してないなーと思ったら岩波文庫から出てた。岩波文庫は意外と簡単に絶版(というか一定期間重版されず流通しなくなる)になりがちなので、とりあえず注文した。新訳ではない。『都会と犬ども』のほうは光文社古典新訳文庫で別のタイトルで新訳が出ている。新潮社は……? - 2026年2月22日
- 2026年2月22日
- 2026年2月22日
- 2026年2月22日
都会と犬どもマリオ・バルガス・リョサ,マリオ・バルガス=リョサ,Mario Vargas Llosa,杉山晃読み始めた読み始めた。登場人物が多いのでメモっているが、まだ序盤なのに20人を超えている。 - 2026年2月9日
- 2026年2月9日
- 2026年2月8日
新装版 アブダクション今井むつみ,米盛裕二読み終わった帰納は仮説を検証する自己修正的なプロセスだが、仮説を発見するものではないので、そこにアブダクション(仮説的推論)が求められる。つまり何らかの想像力や先入観みたいなものが必要なのであって、仮説なくして帰納的結論は得られない。 しかし仮説を立てるだけでもだめで、やはり帰納的な検証が求められる。先入観で決めつけては妥当な結論には辿り着けない。本当にそうなのか調べなくてはならない。 事象を観察し、驚くべき部分に注目し、仮説を立て、そして検証する。 解説によるとアブダクションは人間の発達過程には自然に見られるものだが、AIにはできないのだという。でも、それも「いまのところは」という条件つきのものかもしれない。 人間に残された優位性は、驚くとか感動するとか興味を持つとか、つまり感情と動機を持つということなのかな……(アブダクションでも何でもない平凡な感想) - 2026年1月30日
新装版 アブダクション今井むつみ,米盛裕二買った読み始めたもっともらしさで生きていく。 アブダクションは、事実の何か驚くべき点に着目して、なぜそうなっているのか、「そう説明するのが理にかなっている」仕方で説明する。起きている結果を見て、法則や構造のような、まだ見えていない原因を遡及的に洞察・推論する。もっともらしく感じられることが重要だという。 アブダクションはあくまで蓋然的な仮説に過ぎないから当然間違うこともあるし、帰納よりもさらに「弱い」推論とされるが、帰納と同じように根拠自体はある。しかし帰納とは区別される。 単なる当てずっぽうにならないためにだいじなのが、意識して自己修正を重ね、もっとも「もっともらしい」推測に到達するまで熟考を重ねていくこと。 物理の理論はアブダクションによって発想されることが多いそうだが、デザインもこれに近いプロセスだと思う。 - 2026年1月25日
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