
ミオReads
@hanamio03
2026年3月30日

読み終わった
「BUTTER」のあとに読むとその価値観の温度差にクラクラするな…。
数年前にアマプラで映画を見て、でも作業中の流し見で多分なにも分からなくて本で読むか〜とKindleに積んであったものを、病院の長い待ち時間、月末の速度制限を理由に数年ぶりに開いた結果、夢中で読んでしまった。
「決して出しゃばらない温厚な妻。甘えん坊だが心優しい娘。何かの拍子にサッとラベルを貼り、そして五年、十年、確認も修正もすることなく放置していた。」
「家族を弾除けにしていた。自分が可愛かった。組織での立場が危うくなるたび、家族に託つけて我慢のカードを切ってきた。わかっていた。家庭などなくても生きられるが、組織の中で居場所を失ったら生きていけない。自分はそういう種類の男だと認め、受け入れない限り、死ぬまで己を語る方法を見出せそうにない。」
BUTTERで死んだ男たちが決して向き合わなかったもの。三上だって散々目を反らして受け入れたとは決して言えないし、変わったように見えてまあ変わってないんだろうとも思うけど、これを、「見たくない」「知りたくない」「情けなくて恥ずかしくて愚かすぎて向き合えない」という己を、「ある」と心中で認めたことにとんでもなさがある。革靴を自分で磨かなくても、ラーメンを自分で作らなくても、何も分からず分かった振りをして振る舞うより、何も出来なくても「向き合いたくもない己の存在を認める」方が万倍いい。
BUTTERからの繋がりすら偶然の意味を感じてしまって、読書って面白いなの一点だなと感じた。面白かったな〜!
しかし、映画の内容をほんとに覚えてなくて笑う。というか、読んでる最中に、ラスト、雨宮と対峙する三上のシーンをぼんやり思い出して、視聴中「え?なんでこの人がここにいるの?」と全く話の筋を追えてなくてぽかんとした己を思い出して、それでこの合本を買ったようだったことを思い出した。それで10年近くも積んですまんね。面白かったよ。





