村崎 "タラチネ・ドリーム・マイン" 2024年5月16日

村崎
@mrskntk
2024年5月16日
タラチネ・ドリーム・マイン
どうしてこんなにひとつひとつの話が宝石みたいに輝いているんだろうって、泣きそうになる。雪舟えまさんの作品はいつもそうなんですが、幸福で泣きそうになるんですよ。純粋な人たちがたくさん出てくるからかな、なんかその純粋さも、「ケッ」みたいにつまらない気持ちにならないのが本当に不思議。 短編集で、「緑と楯」みたいに「ふたり」の話が詰まっていて、時間も時空も超えた思いのやりとり……愛って尊いんですね(溜息)。 「モンツンラとクロージョライ」、「ワンダーピロー」、「草野ずん子」、「電」がとくに好きだった。ワンダーピローの、永い別れを迎えるふたりがいるのですが、そのときの会話が本当によかった。 「また会いたいよ」 「会おう。永遠の中で、またあとで」 「永遠の中で、またあとで」ってめちゃくちゃすごくないですか……。永遠だから、次に会うのはもしかしたらすごくすごく先で、会えることがもしかしたらないかもしれなくて、でもそれを踏まえての「またあとで」、こんなの絶対に会えるって思えるじゃないですか、「永遠の中で、またあとで」、この言葉を知っていれば、別れの恐怖なんて薄らいでゆく……
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