不安定 "遠い触覚" 2026年4月1日

遠い触覚
遠い触覚
保坂和志
神保町の東京堂書店の3階売場の一角に、 『鉄の胡蝶は』の発売を前にしたフェアという触れ込みで、保坂和志の本が並べられていた。 『遠い触覚』は最後の一冊だった。絶版なのか、新刊書店ではおよそ見かけない本だ。そんな本の最後の一冊を手に取ってしまうのは、食卓のおかずの最後の一個を私が食べてしまっていいのか?という逡巡に似たためらいを感じるけれども、いや、でも自分は、それなりに保坂和志の良い読者だという自覚(あるいは、良い読者でありたいという願望)があるので、悪いけど私に読ませてくれと断りを入れながら買った。おかずの喩えに戻るなら、「美味しく食べてみせるから私に食わせてくれ」ということになる。私はこの本を美味しく読んでみせる。
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