糖
@inwatermelon_
2026年4月3日

ボードレール全詩集(1)
シャルル・ボードレール
読み終わった
普段は音楽を聴きながら本を読むのだけれど、ボードレールの詩はそれを許さなかった。言葉の喚起する五感へのイメージがあまりにも濃厚なので、ながら読みをすると理解の大きな妨げになってしまう。訳者まえがきには、ボードレールの詩の力、価値を信じる文章が引かれていて、流石の説得力だなと感じた。
「悪の華」はボードレールが生前発表した唯一の詩集であり、その内容の一部が公序良俗に反するとして刑罰を受けている。宗教的権威や公衆道徳の色濃い時代だからこその受難で、今読んでみてもこの程度で?と思うのだけれど、当時にこの筆致でタブーを侵すのは相当なインパクトがあって、その一歩が今のわたしたちの「普通」につながっているのだろうな、と思う。
この本を読んだのは、押見修造の漫画「惡の華」への理解を深めたかったため。主人公の春日にとってのバイブルのようになっている本だけれど、率直に中高生が理解して楽しめる類のものではない。むしろその分からなさそのものが重要。その先にある期待や不安や好奇心、学校という清廉さや従順さを求められるある種の教義的空間における逸脱の象徴なのだなとしっくりきた。