マオ
@pb-mao
2026年4月3日
わかったさんのチョコレート
寺村輝夫,
永井郁子
読み終わった
2006年に逝去された寺村輝夫さんの代表作品であるわかったさんシリーズ。
本作は著者逝去後に当時の挿絵を担当した永井郁子さんが、寺村輝夫さんの発想と世界観をまるごと引き継いで物語と絵を描くという、新シリーズ第3弾。
子供のときに数冊読んだだけなので、馴染みのない展開はあれど、世界観や作品の流れはまさに当時のまま。
過去作と読み比べても、著者不在のままとは思えないほど遜色ない仕上がりの新シリーズ。
ただ、新しいものを作るために既存の発想を脱却するための悪あがきなのか、作るお菓子が真夏にチョコレート(しかもガトーショコラ)なのは…正直、ちょっと期待外れだった。
世界観や発想はまさにわかったさんシリーズ。
どうせなら真夏でもおいしく食べられる、自由な発想のチョコレートのお菓子にして欲しかったな、という気持ち。
この暑い中、ワゴンを運転するわかったさんが家に帰って、なんとなく食べたくなったり、作ろうって思うようなお菓子、たぶん、他にあったと思うんだけど…。
あと、タイトルがチョコレートなのにチョコレートを使ったお菓子だったのが、個人的にわかりやすさいちばんにおける児童文学のタイトルに反して詐欺っぽくてびっくりした。
それならわかったさんのガトーショコラでいいでしょ、とも。
少なくともこのシリーズは、タイトルにあるお菓子を作りたい子供たちにとって、入り口になる一冊なんだよ。
チョコレートならチョコレート、プリンならプリン、クッキーならクッキーを作るわかったさんが読みたい。
本家では巻末レシピでアレンジしたレシピもたくさんあって、それも楽しみのひとつだったんだけど。
新作はあくまで作中のお菓子しかないのもちょっと残念。
わかったさんシリーズが人生で初めてのお菓子作りのきっかけになった世代としては、不親切な気配を感じる新シリーズの雲行きの行方に不安が生じた。
