
Moonflower
@Moonflower0226
2026年4月4日

隊商: キャラバン (岩波少年文庫 2081)
ハウフ,
ヨーゼフ・ヘーゲンバルト,
高橋健二
読み始めた
読み終わった
かつて読んだ
【感想】
ハウフ版「アラビアン・ナイト」である。
20年ぶりくらいに読み返した。久々にサン=テグジュペリを読んで、砂漠の物語世界に行きたくなったからだ。
かつて読んだとき、なぜ本作にこども時代に出会わなかったのかと後悔したものだったが、久々に読むと本作を書いた若きハウフの文才に舌を巻いた。23歳でこの完成度は本当に素晴らしい。
1825年の作品なので当然の如くオリエンタリズムの見本市のようになっているものの、悪く描かれているものは少なく、むしろハウフがいかにアラビアン・ナイトの世界を愛していたかがうかがえる。
隊商の商人たちがそれぞれ逸話を披露するという枠物語による連作短編となっており、最後の最後に驚きの真相が明かされるという趣向。この「伏線の回収」が実に見事。もちろん、各話とも面白い上にそれぞれ毛色が違うのがまたいい。うまいのか何なのかよくわからないイラストさえいい。