
楓*
@kaede_reads
2026年4月5日
雨天炎天
村上春樹
ギリシャとトルコ、それぞれの旅行記なのだけど旅の様子が対照的なのがいい組み合わせ。
ギリシャ編はギリシャ正教の聖地・アトス半島を巡礼者のごとく修道院から修道院へと踏破する。
そこは女人禁制、ホテルやレストランもほぼない。
各修道院の様子であったり、出される食事、出会う人たちについての村上春樹らしい気になる点が面白かった。
トルコ編はトルコ外周を車で回る。
まずは黒海沿岸。穏やかでのんびりとした描写。それから旧ソ連国境、イラン、イラク国境に、時には知らずに山岳ゲリラ出没地帯なんかも通り(しかも停められる)タフな旅路をゆく。
国境隣接地帯の不穏さと、それに対する「ノープロブレム!(だといいなと思っています)」という相手の希望を親切心から勝手に汲んで返答してしまう、事実と若干ズレた返事に何度か振り回されたらしい様子が読んでいる分には笑えた。
ひどい目に遭いながらも、それでもそのとき、その場所でしか見られないもの、知らなかった世界を知りにいく。
楽しさだけでなく、浮き足だった好奇心でもなく、ただそこを見てみようという静かで熱心な冒険心を感じました。