
ミモザ
@mimosa
2026年4月5日

ドーン (講談社文庫)
平野啓一郎
読み終わった
別の本に述べられている分人主義をテーマに書かれたということで興味を持って手に取ったのですが、出版が2009年とあってびっくり。いまの(主にアメリカをめぐる)世界情勢を予見するようなリアリズムで、かつ近未来物としての古さも感じさせず、大統領選の舌戦などはまるで現実のニュースを見ているようで一言一句見逃せなかった。世界の捉え方が驚くほど精巧で、だからこそ登場人物達のミクロなやりとりには少し違和感が生まれてしまうアンバランスさがある。特に日本人ということで採用されたのであろう主人公夫婦に魅力が薄く、テーマである分人主義を体現する存在というわけでも必ずしもなかったので、むしろアメリカ人のキャラクター達に軸足を置いた群像劇の形としての方が作品として良かったのではないかと思ったりした(2026年4月分)

