みほん
@__8mkc
2026年4月5日
海獣の子供(5)
五十嵐大介
読み終わった
「顕微鏡ができる前、人間にとっての世界はもっと大雑把なものだった。望遠鏡ができる前、世界はもっと小さかった。今見えているものが世界の真実とは限らないだろう?」
ジムのこの台詞がほぼこの作品の要約。
海の神秘を覗く話かと思いきや、宇宙の理、生命の起源までも包括した壮大なスケールの作品で、読んでいる間中人生観を根底から揺さぶられていたと言っても過言じゃない。
漫画の内容を全部鵜呑みにすればスピリチュアルな側面が強いように見えるけれど、それでも自分の手のひらの外にある世界を信じてみたいなと思えるストーリーだった、と思う。
江ノ島が舞台(おそらく)だし登場人物も日本人がメインだから物語的には我々の生活と地続きなところがあるように思える。だけど、「光になって消える」事件や、随所散りばめられた伝説や神話はSFちっくで捉え方が難しい。
絶妙なバランスで構成されていて時折掴みどころのなさにぞくっとする瞬間もあって、未知のものに対する恐怖と好奇心は表裏一体だなと感じたり。
フィクションとして切り離してしまうには距離が近くて、リアルな話だと思うには突拍子もない。読み手の想像力が試されてるなと思った。
この作品からあの「海の幽霊」を作り出した米津玄師はも〜〜うさすがとしか言いようがない。音でも歌詞でも作品を表現してる。
「宇宙の総重量の90%以上は正体不明の暗黒物質が占めていることになる。———僕たちは何も見てないのと同じだ。この世界は見えないもので満たされていて、宇宙は僕たちに見えているよりずっとずっと広いんだよ。」
「波打ち際は生と死を分かつ際、生者と死者が入れ替わる境界」
