
かわうそ
@kawauso44
2026年4月5日
珍獣に合鍵
早乙女ぐりこ
読み終わった
2時間くらいで一気に読み終えたのだけど、読み終わってから数日、この作品の主人公、奏について考えている。
※以下、作品のネタバレを含みます※※
まず、奏は迂闊だ。職場内で不倫をする。しかも一度や二度のあやまちではなく、数年にわたって関係を続けている。いくら移動を別にしたり、ホテルをラブホテルじゃなくシティホテルにしたって、職場の人にはバレている。この小説は主人公の一人称で進んでいくので、彼女自身はバレていないと思っているが、こういうのは大体、気づかれている。
もうひとつ奏が迂闊なのは、マッチングアプリで歳下の男性と会うところだ。もしわたしが奏の立場なら、歳下とはマッチしない。教え子の可能性がある年齢は避ける。年齢を見た時点で教え子の可能性が過ぎる。直接関わりがなかったとしても、避けると思う。
彼女は幼い頃の自分の容姿(太っていること)が原因でいじめられたことにコンプレックスを持ち、それを大人になって努力によって克服(ダイエット)した。ここにはとても共感する。わたしも身体のコンプレックスを持ち、なんやかんやで克服をしたり、諦めたりもした。ただ、30代も半ばを過ぎた今でも男子学生の集団はこわい。だから、男子学生の集団そのもののような男子校で働く奏が信じられない。文学を教えたいという情熱があったとしても、恐怖があるはずだ。実際、勉強合宿の時に覗きの被害に遭い、精神のバランスを崩している。
このバックグラウンドを持つ奏が男子校で働いているから終盤の怒りに繋がるのだと思う。負荷のかかる環境で諦め、狂い、でもやっぱり怒りながら生きる姿を読めてよかった。