こよなく
@funyoi
2026年4月7日

読み終わった
「アラブの春」と聞くと、民主化運動を思い浮かべてしまうんだが、本書を読んで、それは必ずしも民主化そのものを第一の目標とした運動ではなく、長期政権への不満や若者の閉塞感(不定愁訴)、尊厳を踏みにじられた怒りが噴出して起こった革命であることを知った。そして、アメリカ軍の駐留や軍事介入が「外国軍に依存して民主化してもうまくいかない」という反面教師となっている。
また、終章の「日本とアラブ」を通して、日本と中東諸国の関係についても改めて考えさせられる。戦争の敗北から復興して近代化した日本への憧れや、貧しい村の生まれの少女がひたむきに生きる『おしん』が人気だという話も興味深い。
しかし、人道支援という理念の背後に、外交の思惑が入り交じってしまう現実が日本への羨望を失望へと変える現実がしんどい。イスラームの教えはわかりませんが、キリストの「本当の善行は誰にも見られないところで行われるものだ」という教えを思い出す。
日本と中東諸国の関係はどうなっていくんでしょうか。
結局はさ、合理性よりも感情で動く部分が大きい訳で、攻撃しました、政権倒しました、はいおしまい。とは、ならないじゃないですか。憎しみが傷痕に残るわけで、尊厳の感情の記憶の方が、政治を動かすのかもしれない。
と思いました。