
鷲津
@Washizu_m
2026年4月10日

わたしの本棚
昔、読後日記と称してよくノートに書いていました。そのうちのいくつかは、今でも読み返したりもします。これから書くこともその中のひとつ
今読み返すと書き直したい気持ちもありますが、原文のままです。書いたのは2016年1月。ちょうど映画の公開が終わったころ
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映画の公開も終わり、ひと頃の熱気も収まったかな。次は「植物図鑑」ですか…流行を追いかけるのも大変だね。ねぇ、そろそろこの本と僕とのこと、書いてもいいよね
有川浩の小説で間違いなく一番好き。どんな話かって?本当はストーリー知ってるんでしょう。それに、先生から読書感想文の宿題を出されたわけでもないし…だからここでは書かない
この本は僕の心に刺さっている。ストーリーとは関係ない所で刺さっている。何度読み返しても、刺さった棘は抜けない。抜けないワケもよく分かっている
『そもそも俺は君の頭の中身が好きなんやから、』
『待ち合わせ場所にリックドムみたいなのが来ても「友達からお願いします」って言えるくらい好きやったから。』
小説の中で自分の価値観に出会った時、読みは止まり追憶が始まる。ひとつ間違えれば、相手を不快にさせるフレーズ。でも切実な気持ちから発せられた本音
その人と喋ってる時には気付かなかったけど、送られてきたメールを見てハッと気付くことがある。文字には、書いたその人の姿が溶け込んでいる
普段は気難しく無口な彼、いけしゃあしゃあと悪魔の呪文を吐く彼女たち。意外にそんな人達の紡ぐ言葉に惹かれる時がある。ひとつひとつの言葉には、無意識にも選んだワケが存在し、その人の価値観が投影されている
でも、そんな彼、彼女たちは得てして分かりずらい。ややこしい彼、彼女たち。だからいつもどこかで関係が切れる。それもたった「ひとこと」で
これを送れば確実に「終わる」ことを知りつつ、感情に任せEnterキーを押した僕。そのことを後悔している。だから、次にそんな人と出逢ったらちゃんと誠意を持って接したい。
今まで馬鹿にしていたSNSの世界も、まんざら捨てたもんじゃないかも知れない…
ここまで書いて、ふと我に返る。何も書けていない。斜に構えカッコつけてるだけ。情けない。自分を晒さないと本当の気持ちは書けないよ
『伸さんは健聴者で私は聴覚障害者なんだなと改めて突きつけられました。』
『でもそれはやっぱり自分に引け目や負い目が何もない人の言い分です。』
昔、ボランティアで特養に行ったり、障害者サポートサークルにいた時期がある。それなりの年齢になって、まあ一種の社会貢献。できる僕ってカッコイイ?いい気になっていた。「バカ」だった。結局上から目線での奉仕。どんなに笑顔で取り繕っても心は透ける
「ひとみ」と同じセリフを何度か言われた
その度に傷つきながらも「何とかしないと」そう思いもがいた
周りの人達も「中にはそんな人もいるよ。あまり気にしてはいけない」と慰めてくれた。だから頑張った。負けてはいけない、続けようと
でも自分本位なのは最後まで変わらなかった
「この言葉は使ってはいけない。こんなことをしてはいけない」
まるで僕は、見えないけど、硬くて、冷たいガラスコップの中にいるみたいになって、僕の体は硬直し、息が苦しくなり、そして何も出来なくなる。最後はサークルから逃げるようにして去った
『ひとみさん、髪切ってみいひん?』
「伸」が「ひとみ」にかけた言葉。相手が自分の障害を隠すため、耳元の補聴器を隠したい一心で伸ばしている髪。それが分かっていて、それでもこの言葉をかけることができる「伸」
僕にはできない。どうやってもできない
伸、ジョゼの恒夫、自然体で相手と同じ目線に立つ人たち。悔しいけど、羨ましい。妬みすらある
僕にはできない。どうやってもできない
ここは、こんなことを独白する場所じゃないってことは分かっている。でもずっと文字にすることを躊躇っていた。今日はそのことが書けて、少しだけ気持ちが安らいだ

