
ましろ
@ruhistory
2026年3月23日
翻訳はおわらない
野崎歓
読み終わった
◯自分的憧れの職業「翻訳家」のエッセー、面白そう!と思って買ったけど、しばし放置し、積読化してた本。知人と人工知能の話をする機会があり、帯の「AIなんか怖くない!」の文が目にとまって、積読からひっぱり出された。
◯最初は、筆者の書きっぷりというか言葉の選び方とかがロマンティック、悪目に言えば、クネクネしてて、さすがフランス語の人!仏文学研究者!!と思ったけど、中盤以降は落ち着いてた。笑
自分はさほど気にならないけど、鼻につく人はいるのかも?チャラついた軽い本ではないから、もしそこで読むのをやめてしまったら残念。
◯絵画や音楽で「ファウスト」をモチーフにした作品がかなりあることを思えば、ヨーロッパにおいて「ファウスト」が教養、一般常識に占める地位が高いことを察する。なおさらきちんと勉強したい気持ち。
◯ファウスト、鴎外作品など、野崎歓さんが、フランス文学以外の文学作品の知識が豊富なのが意外だった。もちろん研究者として教養的なものもあるんだろうけど、独仏を俯瞰するからこその論とかもあって、単純にすごいなと。翻訳家・研究者という興味関心から、鴎外作品も詳しいのだろうけど、それもすごいと思った。
◯野崎歓さんは、フランス語、フランス文学を愛するのと同じくらい、日本語と日本文学を愛してるんだなと思った。世の中の本と文学すべてを愛してるのか。なんか、博愛を掲げるフランスっぽいなって思った。
◯文庫化に際して追加された最後の章はAIについて。案外野崎さんはAIについて、余裕の態度。実際は将来を憂うものがありつつかもしれないけど、前の章で出てきた「メランコリー」に通ずる経験なのかも。でも、若い翻訳者は違う見方なんじゃない?とも思う。野崎さんは、長らく第一線で活躍しているプロとして、自他ともに認める実績があるし、それがAIに「横取り」されるかも?という不安はないわけで。件のD**pLの成長もめざましいわけで、数年後の意見も聞きたいところ。