酸菜魚 "シン・アナキズム" 2026年4月12日

酸菜魚
酸菜魚
@suancaiyu
2026年4月12日
シン・アナキズム
5人のアナキストの思想を紹介する列伝。 紹介されるのは、必ずしもいわゆる政治思想家ではなく、アナキズムを実践する活動家も含まれる。 破壊、暴力、略奪というイメージのあるアナキズムだが、小さい共同体による自治という実践的な生き方の話である。 市場経済的考えが蔓延し、市場経済的要素を持たないものにもその考えを当てはめて考えた上でのモラルを所与のものとして判断に用いる我々に対して、「もしそうではなかったなら」という別の世界の見方を提示してくれる。 内容は難解なところもあるが、それぞれのアナキストの著書そのものを読むよりはわかりやすいと思う。 グレーバーの「なぜ借りたものを返さなければならないのか」という問いに対して、そういうものでは?と思ったあなたも私も、市場経済のモラルに雁字搦めにされているのである。 「民主主義の非西洋起源説」、相手からの返礼を強制する「贈与論」、「社会的費用」など、興味のそそられる思想・論考が多く引用、参照されていておもしろい。 この本は、現在に対するオルタナティブを提示してくれるわけでもない。 誰かに提示された答えは、それこそ自治・自律の生き方であるアナキズムに馴染まない。自分で見つけるのだ。
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