
Gurinyat
@gurinyat_0110
2026年4月10日
暗黒館の殺人(一)
綾辻行人
読み終わった
土百木峠を超えた先の湖の上の島に黒々と佇む暗黒館。そこに住まう謎多き浦登一族。暗黒館の殺人(一)では、500ページを超えるボリュームで、暗黒館に潜む妖しい魅力にどっぷりと浸かることができる。
まず、目を疑うのは圧倒的な館の間取りの広さだ。東西南北それぞれの方角に館が建っており、それも全部二階建て。
あまつさえ、どんでん返しを始めとした
”妙に子供じみたからくり仕掛け”も沢山あるときた。
読んでいる間に興奮が止まらない。
魅力的だったのはもちろん館そのものだけではない。そこに住まう浦登一族も、大変魅力的である。私は特にあの異形の双子が可愛らしくて好きだ。左と右で名前を間違えないようにと毎回焦ってしまう。登場人物欄に書いて欲しい。
「美鳥(右)」などと。
何かと頼りがいのある玄児だが、それもあってか〈宴〉での異様な姿が脳裏から離れない。
時計館をはじめとして、中村青司の館が孕む”悪夢”の妖しい魅力を思い知らされていた私にとって、今回のような長編はシンプルに嬉しすぎる。
謎が多すぎて、物語の終着点は全くもって想像できない。
〈宴〉の意味とはなんなのか?”肉”とは?
湖に住まう、人魚とは?
一成が描いた絵の意味。
玄児の消えた過去。彼の手の傷の意味。
“飛べない”望和と征順。鬼丸老の正体。
ダリアが託した願い。
十数年前の浦登玄遙と卓造の死。
暗黒館が孕む”悪夢”とは何なのか。
蛭山はなぜ殺されたのか。
ーそして、「中也」は誰なのか。
まだ三冊も残っている、というのが嬉しい。次回も期待。