
ぬ
@tanu-nu
2026年4月13日
獣の奏者 (4)完結編
上橋菜穂子
読み終わった
@ 自宅
読み終わってみて、徹底して『伝える』ということを考え、突き詰めていった物語だなぁと。『伝える』と『考える』についてのお話というか。エリンは母からきちんと伝えられずに母と別れたことで、逆にきちんとジェシに伝えようとする姿が印象的だった。そして過去の惨劇の真実を秘することで統治を続けてきた真王のやり方は、今でいうところのプロパガンダだよね。その歪みを支払ったのがエリンであったことは、やはり哀しいことだと思うよ……。エリンは「自分のせい」って思ってたけど、そんなことないよな!!
為政者が統治のために秘していた真実が不幸にも失われ、時と共に歪みを引き起こした。エリンは確かに引き鉄を引いたかとしれないけど、それはエリンのせいじゃない。時代が変われば国の状況など変わるものだし、真王側は継承が途絶えてしまったから仕方ないにしろ、アーリョ側は真王側の真実の継承が途切れたときに、真王に真実を提供してもよかったんじゃないんですかね!! という気持ちになりました。
あと、上橋先生ご本人が後書きで書いているように、確かにこのお話自体は王獣編で終わってるんだなとも思った。その後の話はオマケというか、王獣と人を描いたこのお話の中の、人と人のことを描いたのが探索編と完結編のイメージかも。
全編を通して静かでもの悲しく、なんというか、カタルシスが得られるかどうかはその人次第という感じがする。個人的には、もう少しラーザのことが知りたかったかな〜と(設定厨だから)。
ちなみに読んでて一番好きな登場人物はイアルでした。外伝はのんびり読む!
