
い。
@hon_i_read
2026年4月16日
やがて魔女の森になる
川口晴美
読み終わった
冒頭の詩「気がかりな舟」はダイヤモンドプリンセス号と思わしき船に乗り合わせた「わたし」の視点からまだ何とも分からないコロナ禍の始まりが、誰にもジャッジメントが出来ない曖昧さを保ったまま、否定的でも肯定的でも無く描かれている
他の詩も、現実から想起される思い出や過去、或いは捏造されたかもしれない思い出と記憶が、不確かな何かを、確かな手触りを持つ言葉で捕獲していくような強さと無謀さのある詩ばかりだった
川口晴美は散文詩がとても良いと以前から思っているのだけれどこの詩集では、「寝台」が一番印象的だった
眠れる森の美女(のような女性)がベッドから出られないまま森は開発され道路に寝台が放置され、そして夜毎に精神的、物理的陵辱を受ける少しエロティックな詩だけれど、閉ざされた空間と時間と意識が神話のように紡がれていた

