しゅう "われはロボット" 2026年4月20日

しゅう
しゅう
@shuu62
2026年4月20日
われはロボット
われはロボット
アイザック・アシモフ,
小尾芙佐
かの有名なロボット三原則をメインテーマに扱った短編集。 合理的であるはずのロボットが非合理的なふるまいをした時に、実はロボット三原則が絡み合ってそのふるまいが決定されている、といったミステリ要素を含んでいる。 そういった論理パズル的な読み方も出来るし、ロボット心理学者(?)のキャルヴィンへのインタビュー形式での回顧録を通した人間社会への風刺とも取れる。 多面的な読み方が出来る作品だが、その両方とも高水準でまとまっていた話が「証拠」だ。 品行方正で優秀な政治家のバイアリイが市長選で出馬するが、対抗馬から彼はロボットなのではないかという疑義がもたれる内容だ。 状況証拠的にはロボットでもおかしくはないと疑われる状況だったが、キャルヴィンはロボットなら人を殴る事は出来ないと言い、バイアリイはその対抗馬を殴ってみせた。 ロボット三原則には「ロボットは人間に危害を加えてはならない」という条文があり、それによりバイアリイの人間が証明された訳だが、ミステリ的観点からすると、1つだけその証明に反論出来るケースが存在する。 すなわち、「対抗馬もロボットであった場合」だ。 果たしてバイアリイはどちらであったのか、真実は明かされないままキャルヴィンへのインタビューは終わる。 ロボット三原則をすり抜けるケースを考える論理パズル的楽しさと、正しい事を行ってくれるなら別に人間じゃなくても良いのではないかという社会への提言と2つが両立していて、とても読み応えがある物語だった。 正直言って分かり辛い場面も多くあり、スラスラと読めるかと言えばそうじゃないかもしれないが、現代のあらゆる作品にも影響を与えているであろうまさに原点といえるような内容で、読んで損は無いと思った。
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