
Pluto
@134340clyde
2026年4月23日

読み終わった
「前意味論的欲動」を軸に三島自身や作品についての評価をした本。
「前意味論的欲動」は造語で、言語化される以前の体験や実感により表出した深い欲動、みたいな意味。
三島由紀夫にとってのそれが「悲劇」だった。
悲劇への渇望で三島由紀夫は身を滅ぼした。現実をそのまま生きるのが難しくて一種の芝居仕立てを企てて、割腹という三島由紀夫にとっての官能源かつ悲劇によって人生の幕を閉じた感じがあるなと思う。
生まれたときから祖母の元で育てられて、世間一般から少し浮いてたのかな。これが三島由紀夫の疎外感、劣等感を生み出して尚且つ華美な文学世界も創造してる。
なんていうか危うい自分だけの世界を身の内に宿しつつも世間一般の真っ当な世界を望む気持ちもあって、矛盾してるところあるなと思う。理路整然とした思考をしてるのに。
この本を読んでてウロボロスの蛇を想像してしまった。永遠は無いけど自分の尾っぽを食べて生きつつも死んでる蛇。
後半の"三島に死なれた人たち"というワードが一番心にきた。奥さん、両親、川端康成。純粋に悲しくなった。
