
北本新聞縦覧所
@kitamoto_juran
2026年4月23日

読み終わった
『坂の上の雲』を読んだ程度の知識しかなかったため、日本海海戦の戦史の矛盾を読み解いてゆくパートは「ほーん」と読み飛ばす感じにはなった。ただ、「つまり、第二戦隊の活躍を戦史ではなかったことにしたのね」程度は理解できる。
その結果としての東郷・秋山神話であり、その起点は小笠原が戦後間も無く新聞社にばら撒いたPR文を東京朝日がしっかり拾って「丁字戦法」を劇的に描いたため。
人間臭く失敗もすれば優柔不断にもなる、という本書が述べる実情に近い形で東郷・秋山の評価が定まっていれば、色々な点で個人崇拝的な様相が強くなる昭和前期の空気とは変わっていたのかもしれない、という歴史のifさえ頭をよぎる。
これほどまでの無傷の大勝を収めている時点で、東郷は名将で秋山が名参謀であったことの証左であり、無理に神格化をしなくても歴史に名を残したはずだ。
本当面白いと思ったのは第二章から三章
軍神広瀬→上村艦隊批判へと世論が注目するように海軍は巧みなメディアコントロールを行った。これは戦艦八島の沈没を隠蔽し、公表後も目立たなくする意図があると指摘。
それが旧軍、特に昭和期の旧軍の隠蔽体質に繋がる。
日露戦争期の海軍におけるメディアコントロール、というニッチなジャンルに触れた本。陸軍についても同様の本があれば読んでみたい。