

北本新聞縦覧所
@kitamoto_juran
ノンフィクション・新書・小説を好んで読みます。埼玉県北本市の小声書房さんの貸棚ブクブク荘の「北本新聞縦覧所」です。
- 2026年2月25日
となりの陰謀論烏谷昌幸読み終わった陰謀論の入門書。「おわりに」が解説付きの参考文献集になっていて、徹底的に入門書を志向している。 陰謀論を唱える者が権力を持ち、唱える陰謀論を放っておくと陰謀論を認めるか否かが権力に従うかどうかの踏絵になる。常識外れであればあるほど踏絵としての力を持つ。 紙幅を割かれていたトランプ大統領の陰謀論政治については、陰謀論者には通じる犬笛を吹くことで絶大な支持を得たとのこと。『福音派』で言及のあったように、何かの信仰や思想のある人に分かる言葉で語りかけ、熱狂的な支持を得ることがトランプ流の選挙戦術であることも見えてくる。 「奪われ感」つまりは被害者意識というのも陰謀論が生まれる大きな要因。『ネットはなぜいつも揉めているのか』においても被害者意識がネット炎上の要因の一つと触れられていた。 被害者意識が現代を読み解くキーワードのように思えてきた。 - 2026年2月24日
- 2026年2月21日
- 2026年2月14日
- 2026年2月13日
- 2026年2月12日
知性の罠デビッド・ロブソン,土方奈美読み終わった非常に面白かった。 賢いはずの人、賢い人を集めたはずの組織が時には愚行としかいえないような理由でなぜ失敗するのか。 印象的な点は多々あったが、何かと欧米と比べて遅れてると言われがちな日本の教育を、考える力を育てる好例として取り上げられており、新たな見方だった。 第4部の組織・チームの愚行を掘り下げる章はもう一度読み返そうと思う。 - 2026年2月8日
教養主義の没落竹内洋読み終わったエリートたる大学生は岩波文庫を読み、『中央公論』や『世界』の論考をもとに天下国家を語るものである、という規範意識はサラリーマン文化の興りと地方と都会の格差が縮まったことで廃れた。 『「勤労青年」の教養文化史』や『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』が面白かったので読んでみた。 まだまだ私が浅学で理解しきれない部分があったので、思想史的な箇所の理解が深まったら再読したい。 - 2026年2月5日
- 2026年2月3日
サラ金の歴史小島庸平読み終わった大変面白かった。一気読み。 サラ金業者向けの団信が登場し、債務者の自殺を厭わない厳しい取り立てが常態化した、という箇所(p161)が特に重たい。カネと人の命が天秤にかけられ、カネが勝つ人間のダークサイドを見せられる。 従業員が豊富な知識を悪用して不正を働いた事例(p275)からは、過酷な労務管理があってもなお不正が起こることへの皮肉を感じた。 - 2026年2月3日
- 2026年1月29日
日本の保守とリベラル宇野重規読み終わった大変面白かった。 保守というのは本来、何かの変革に対する対抗軸としての保守であるにもかかわらず、日本では欧米に追いつくための近代化を導入する指導層が「保守」となり、これを革新的理念で批判する側を「革新」と呼ぶねじれが起こっている。 リベラルの本来の意味である「個人主義」や「自立」の意味を福沢諭吉を掘り下げることで明らかにしつつ、リベラルと積極的に対比される概念であり、保守されるべきとされる、日本社会の集団主義についての丁寧な論考も印象的。 理解度5割くらいなので、また読み返したい - 2026年1月21日
イーロン・マスク 下ウォルター・アイザックソン,井口耕二読み終わった工学的な知識がしっかりあるからこその、絶妙なラインでのリスクテイクができている、というのは改めて認識しておきたいとも思った。 人類を救う、効率的利他主義のような思想だからこそ、組織の中では圧倒的な実権を握り、組織が目標のために全力で駆動するように、絶えず「シュラバ」を作り出す、イーロン・マスクの行動原理が読み取れる。 Twitter買収の内幕なんかも面白い。 TwitterをXに変えた話や、トランプに接近しDOGEを率いる話など、続編として読みたい。 - 2026年1月14日
イーロン・マスク 上ウォルター・アイザックソン,井口耕二読み終わったトンデモと言えるような父親のもとで育ったことが、イーロン・マスクの性格を決定づけた。 狂人的とも言える働きっぷり、リスクを恐れないどころか好んでいる様が私と同じ人間とは思えない。下巻も楽しみ。 - 2026年1月9日
棘の家中山七里読み終わった主人公は中学教師。娘がいじめを苦に自殺未遂。教師と父親の立場の間に挟まれながら苦悩する物語。 と思いきや、被害者と加害者がオセロのようにひっくり返り、次々やってくる怒涛の展開。押し寄せるマスコミ、ネットから向けられる悪意、油断のできない刑事、信用できなくなる家族。 続きが気になって仕方ない物語でした。 あえて言うなら最後の方のシーンで刑事が色々喋りすぎでは?と思ったことだけツッコミたかった笑 - 2026年1月7日
- 2026年1月6日
若者恐怖症 職場のあらたな病理舟津昌平読み終わった結論、世代論や年齢に囚われず、目の前の人間とちゃんとコミュニケーションを取ろう。 凡庸な結論ではあるが、巷で言われる「Z世代の若者像」が本当であるのか、丁寧な論証もあってステレオタイプに陥っていたことを実感できる。 『考察する若者たち』もそうであるが、2025年前後の世相や社会、職場の諸問題を堅苦しくなくとっつき易い若者論で括ったような気もする。 若者そのものを論じるというよりは、若者を迎え入れる職場の上司先輩たちに対するエールに溢れていた - 2026年1月5日
- 2026年1月3日
- 2026年1月2日
読み終わった大変面白かった。新聞などで「福音派」と出てきても、「キリスト教の保守的な人たちで、進化論とか認めてない人」、程度の印象だったが、解像度が高くなった。 独特の終末論を信じている、というのが大きい特徴。最近の情勢でも米国のイスラエルへの支持はなぜこんなに底堅いのだろうか、という疑問が終末論に関係していることが解けた。 ブラピ主演の『ワールド・ウォーZ』でエルサレムが防護壁の中の安全地帯になっていたのは、この終末論が関係してるのかも。この目線を持って米国発のエンタメコンテンツを見るのも面白そう。 回心、信仰復興運動(リバイバル)など、米国キリスト教に関する独特の宗教観は森本あんりの『反知性主義』を読んでいたおかげで困らなかった部分もある。併せて読むこともおすすめです。 - 2025年12月28日
保守主義とは何か宇野重規読み終わった大変勉強になった。理念に基づく社会改造を目指す進歩主義との対抗関係の中で、どのような秩序や権威を守りつつ、漸進的な社会改良を目指すのが保守主義である。 対フランス革命、対社会主義、対大きな政府と欧米における急進的な社会改造に対し、保守主義が何をどのように守ろうとしたのか、明瞭に理解できた。 翻って日本においては、何を守るべきかという理念が曖昧であり、状況への適応という側面が強い。 その理由も宗教的歴史的な違いがあってのこと。 宇野先生の別の本も読み政治思想への理解をさらに深めたくなった。
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