
積読山脈
@book_mountain
2026年4月24日
硝子戸の中
夏目漱石,
竹盛天雄
読んでる
飼い犬ヘクトーの話が終わるまで。
初めは物珍しげに犬に構っていた家内も次第に興味が薄れる。
尾を嬉しそうに振って漱石に甘えに来ていたヘクトーも、胃潰瘍で一度家を離れたあとの漱石に名を呼ばれても見向きもせず木賊の中で眠りこける。
終いにはどこかの家の池で亡くなっているのが見つかり、漱石は遺骸を引き取って墓を立ててやった。
人も犬もお互いの関係が希薄になったせいで寂寥感じる結末に至ったように感じた。ヘクトーなど、もはや自分の名前まで忘れていたのではないかと思うほど。
漱石の裡に仔犬を引き取る際のあれこれが去就するあたり、最もヘクトーを気に入っていたのは漱石だったのだろう。ヘクトーは最期を主人に見せまいと姿を晦ましたのだろうか。
