
読書猫
@bookcat
2026年4月22日

終わりの街の終わり
ケヴィン・ブロックマイヤー
読み終わった
(本文抜粋)
"死者はしばしば、そんな記憶に驚かされる。自分が育った家や地域のこと、強烈な恥や誇りの感情、仕事、毎日の日課、命をゆっくりとむしばんでいった道楽のことを何週間も何ヶ月間も一度も思い出すことなくすごしていながら、逆に、非常に些細な、取りに足りないエピソードが日に百回も、尾びれでぴしゃりと湖面を打つ魚のように、脳裏に浮かぶのだ。"
"しかし、どうして彼は人生の中で自分を傷つけた事柄ばかり覚えているのだろう? 彼に喜びを与えるか、ほほえませるような──これまでに聞いた冗談、腕を振り動かしたくなるような歌、彼を愛してくれた人たち、その人たちの頬に彼の指がふれたときの感触などをどうして思い出せないのだろう?"
