
とろたく
@takutsuna
2026年4月28日
「世界の終わり」の地政学 野蛮化する経済の悲劇を読む 下
ピーター・ゼイハン,
長尾莉紗
読み終わった
米国主導のグローバル経済がシステムが直ちに破綻した場合に、どのような事態に世界が陥るのか、ユーモラスに描かれている。
下巻の本書では個別論点として、エネルギー、工業用原料、製造業、農業の分野でのリスクやそのシナリオが書かれてる。
上巻から一貫して、著者が住む米国に偏った視点が散見される点、また、提示されるデータやエビデンスのさらなる根拠や出典が不透明で主張の正しさの反証可能性が危うい点を除けば、
もしもが起きた、ディストピア的な世界のシナリオを理解することのできる本だ。
全体の総括として、現代の世界は緻密に密接に繋がっており、各国/地域は相互に依存している社会であることを痛感させられる。
また、人口動態や地政学リスクによって、金融、エネルギーや輸送/サプライチェーン上の少しの綻びがもたらす経済的なコスト上昇や困難さが現代の豊かで便利な暮らしに影をもたらす可能性を再認識させられる。
著者は、脱グローバル化により、世界の状況は近代以前に逆戻りする可能性があることを声高に主張してると読んだが、最悪の状態として、それは起こりうると思われるほど、現代社会の生活や環境があらゆる奇跡的な繋がりの上に成り立っていることを実感させられる。
令和の今の時代の利便性や当たり前と認識していること(例えば、24hr空いてるコンビニに、多種多様な商品がいつでもあること)が、奇跡の上に成り立っていることを正しく認識し、それらが失われるかもしれないことへの備えとして、どんな生活が起こりうるか、頭の体操やイメージをしておくことが、自分の生活を守ったり、予期せぬ事態への対応力の強化につながると感じた。
その意味で、ある種のサイエンス・フィクションのように本書を位置付けて、こんなシナリオもあるかもな?と考えることに意味がある本のように思う。