時間のかかる読書人 "宮沢賢治" 2026年4月30日

宮沢賢治
宮沢賢治
見田宗介
最後に、見田宗介の「宮沢賢治」。宮沢賢治は、「銀河鉄道の夜」や「セロ弾きのゴーシュ」などの童話で知られている作家・詩人です。先に挙げた二冊に比べると、やや難しい本ですが、実に感動的な宮沢賢治論です。見田宗介は、実は、私の社会学の先生です。見田先生は、この本を、十代の若い読者に向けて書いています。よく読むと、たいへん明快なことが書かれていることがわかるはずです。宮沢賢治に、「学者アラムハラドの見た着物」という、ちょっとふしぎなタイトルの未完の童話があります。アラムハラドは、街はずれの柳の林の中の塾で、子どもたちに教えています。あるとき彼は、子どもに、「人間が何としても、しないではいられないことは何だと思うか」と質問します。ある子は「歩いたり物を言ったりすることです」と答える。別の子は、人は「善いこと」をしないではいられない、と少し感心なことを言う。最後に、アラムハラドが最も目をかけているセララバアドという子が答えます。「人はほんとうに善いことは何かを考えずにはいられないと思います」と。どこまでも考え続けるために、講義と、ここに挙げた本があります。
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