えむ4 "海と毒薬" 2026年4月30日

えむ4
@em4
2026年4月30日
海と毒薬
海と毒薬
遠藤周作
海と毒薬の一節が題材として出ているのを見て この機にKindleで読んでしまった。 講談社文庫だとUnlimited対象。 もともと私が読んだ引用部分はは戸田の幼少時代。彼に興味を持って手に取った。 戸田は欠落した自分の中の良心の痛みを求めて、人体実験に参加した若い医者。随筆などの他の遠藤周作の作品を見ていると、遠藤周作の自意識の一部を代弁する人物像にも見える。遠藤周作から何かを中抜きしたような。 戸田がほしいのは外側の条件に寄らない自分自身の手応えだったんだろうか。神の不在で感じる神の存在への実験だったんだろうか。罰も答えなんだろうな。 ウィキベディアによると海は運命、毒薬は良心を麻痺させるもの。 秀逸な題名だけど、勝呂や看護婦はほかの人間はわかるが、戸田はなんなんだろうな。 ところで人体実験にまつわる周囲の戸田以外の人物描写や言動はどこまでノンフィクションなんだろう。 史実かどうか、ということでなく、実際の時代の中での「十分あっただろう」現実なのか、遠藤周作の中での現実なのか、それとも物語のためのフィクションなのか。 史実から構想しているからこそ、そこも気になった。
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