つばさ
@tsubasa1872
2026年4月30日

新月譚
貫井徳郎
読み終わった
和子の、木之内に対する執着のレベルが尋常じゃなく、1人の人のためにここまで自分の人生を委ねてしまえる感情の強さに、もはや驚嘆した。
ただ、そうなってしまった理由は、和子の外見的なコンプレックス、そのコンプレックスにより小さな頃から積み上げられてきた人格、恋愛経験の少なさ、木之内という人物の危うさ等、様々な事柄が複雑に絡まり合った結果である。
木之内のために、整形により外見のコンプレックスを消し去るまでのことをしたが、美人になったからこそぶつかる現実に悩まされ、結局そんなものは1番大事なものでは無かったのではと葛藤する様はとても人間臭くリアリティのある描写だった。
整形する前の写真の中で、木之内の横で笑っている和子が幸せそうだったという最後のシーンが、とても切なく胸に込み上げてくるものがあった。
等身大の自分を認め愛してくれる人がもし近くにいるのなら、それは人間にとって最高に幸せな形の一つなのかもしれない。