
tatsuta
@pumpkin88
2026年4月30日
踏切の幽霊
高野和明
読み終わった
積読チャンネルで紹介されていて面白そうだったので文庫版を購入。
主人公の雑誌記者・松田の人柄や考え方がとてもいい!物語を追う上でノイズにならず、一気に読めてしまった。
被害者であり捜査対象でもある『幽霊』への意識が変わっていったり、その変わっていく印象すら自分の願望や傲慢な憐憫ではないか?と自問自答しながら事件を追っていく姿は、「この人にこそ事件を解明してほしい」と応援したくなる主人公だったと思う。
怪奇現象を起こす幽霊に対して恐怖していた松田が、病死した妻への思いや後悔と重ねたことをきっかけに、恐怖の存在ではなく『無念の中死んでしまった一人の魂』として向き合うことになるくだりは特に胸にぐっとくるものがあった。
幽霊の人生が明らかになる終盤は苦しく切なく、でも恐ろしい描写も抜かりない、読み終わったあとにあらためて表紙をながめてしまう1冊でした。


