ひろ子はん "恋ふらむ鳥は" 2026年4月29日

恋ふらむ鳥は
恋ふらむ鳥は
澤田瞳子
小説で元正天皇まで辿る極私的プロジェクトの5作目。 前の本から時の流れが逆行するけど、額田が色弱異常という設定ともれ聞いて気になったので。 白村江の敗戦から壬申の乱までの古代政治における(惚れたはれたを卒業した)宮人としての額田の物語。 件の色弱異常も仕込んだ伏線を回収する訳ではなくいきなり明かされる。 「冬ごもり…」の歌もそう言うこと?!な解釈で。 新聞に連載されていたので途中冗長に感じた所もあったけど、読了した今、挫折せずによかった点が以下。 ・私の中では「系図の中にそういう人いたよなぁ」位の存在であった漢王子が鮮明な描かれ方で印象に残った。 ・大海人の挙兵、近江攻めのくだりは脳内再生してしまう程迫力があった。 ・そして(長くなるけれど)個人的に一番の収穫がこれ↓ 小学5年生で次の天智天皇の御製を知って、万葉集を好きになった。 『わたつみの豊旗雲に入り日さし 今夜の月夜あきらけくこそ』 この小説では 『わたつみの豊旗雲に入り日見し 今夜の月夜清み明りこそ』 の読みを取られている(が、それに関しては本題から外れるのでここでは置いとく)。 三つ子魂…ではないが、私は小五の時に【音】で聞いて好きになった前者を取って現在に至る。 その「わたつみの」は、近江で詠まれたものなのに、長らく斉明天皇の百済救援の西征、つまり額田が「熟田津に」を詠んだ時期と勘違いしていた。 それが単なる知識の間違い(だけなのかもしれんけど^^;)だけでなく、そういうことか!な解釈がありすご〜く腹に落ちた^^v ここに感動したのは私だけかも知れんけど。 今まで(勝手に)イメージしてた大海人像と著しい違いがあったことや、相変わらず讃良の描き方がキツイのは、次の時代の作品を読む楽しみにしておく。
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