うむらうと "しずかにわたすこがねのゆびわ..." 2026年5月3日

しずかにわたすこがねのゆびわ (福武文庫 ひ 105)
早逝の作家、干刈あがたの作品。 二十代に読んで、きっとまた読む時が来ると思っていた。四十代の終わり、気づけば彼女が亡くなった年齢はもうそこだ。 女として生きるって何だろう、と、ずっと思いながら生きている人におすすめ。 改めて読むと、構成がゴツゴツしているように感じられるし、決してとっつき易くはない。 タイトルの童謡を私は知らないので、終盤急に出てくる印象が否めず、序盤からあってもいいのにな、などと。 もし彼女がもっと長く生きていたなら、何かのタイミングで手を入れただろうか。それとも敢えて、予定調和でない人生の形として、このままにしただろうか。 再読して一番刺さったのは、 「ええ、初めに信じたままで、一生やっていけたらね……」(文庫版201頁) 女性同士で、夫婦について語り合っているこの言葉。 前回読んだ時はまだ、「初めに信じ」ているところだったからね。一生やっていける人の方が、きっとほとんどいないよね。 葵と杉山の夫婦関係など、時代を先取りしている部分もあって、映像で観てみたいとも思った。群像劇だし、みんなよく喋るし、向いていそう。
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