
茶辿
@kiSaten2112
2026年4月23日

生命式 (河出文庫)
村田沙耶香
読み終わった
感想
これも東京旅行で読み切った作品
ただ前々からゆっくり読んでて旅行中に読み切った感じ
タイトルの「生命式」をはじめ常識や価値観が異なる世界、人々を描いた短編集
だが全作を通じて、その中に不思議と己の気配を感じてしまう
特にタイトルの「生命式」と最後の「孵化」が個人的なお気に入り
「生命式」はまさにこの短編集の1作目にふさわしい
死した人間を料理し食すという私たちと乖離した倫理観の世界を描く今作をイカれた世界と一蹴するのは簡単
でも私たちも自分たちの世界の正常に染まろうとして無自覚におかしくなっているのかもしれない
時代が進み価値観も多彩に変化してしまう現代、その刹那に生きる私たちに呼びかけてくれる作品
「孵化」はコミュニティに『呼応』して様々な自分、ペルソナを使い分ける主人公を描く
『呼応』し上手く立ち回れてる一方、本当の自分からは遠ざかってしまう、そもそも本当の自分なんていたのか
他作とは違いユーモアを交えつつ、どこか迷子になっているような主人公が悲壮にも淡々と描かれて不思議なバランスで好き
村田沙耶香さんは「コンビニ人間」しか読んだことなかったけど、独特な世界観の物語は読み物として純粋に面白いし、どの作品にも奥底に深いテーマのようなものがあって、毎回読者に問いかけてくる作風がある気がする
「消滅世界」や「信仰」もぜひ読みたい!


