不立文字文文 "植物誌" 2026年5月5日

植物誌
植物誌
佐藤達夫
学生時代に植物の事について学ぶ事が多かった為、大人になった今でも植物の事が書かれてる本を見かけるとつい手に取ってしまう。 この本もそうだった。 本文から著者のあとがき、エッセイから解説まで含めると全部で241ページあるが、本文の左半分は著者の草花の絵で構成されているので、字ばっかりの本はつまんないよ、って人にもおすすめしたい。 その絵も、白黒ながら様々な技法で描かれてるので、草花の特徴をきちんと捉えていて非常に見応えがある。 デジタルが主流じゃない時代にここまで繊細な絵が描ける事に驚きを隠せない。 本をめくりながらスマホやパソコンで検索した植物の写真を見比べてみるのも面白いかもしれない。 〈宝石の国〉でおなじみの、市川春子先生のエッセイも載っているので、気になる人は是非取ってみて欲しい。 彼女特有の観察眼や着眼点で、草花の生態や著者の人物像が書かれているので、そこも面白い。 この本にはサフランの事が書かれているページがあり、著者の佐藤達夫はサフランとクロカス(クロッカス)の扱いの差について不満を持っていると思われる内容の文章が綴られているのだが、宝石の国ではサフランとクロカス、両方の性質を併せ持つ植物が登場する。 二つの作品を読み比べて見ると『おっ!』っとなる事間違いなしだろう。
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