
楡
@etemotust
2026年5月6日

照柿
高村薫
読み終わった
再読
こちらも10年ぶりに再読。
カミュの異邦人を連想しながら読んだが、そうか罪と罰か〜という気持ち。罪と罰も高校生に読んで以来なのでタイミングをみて再読すべきかも。
確かに合田が女への一目惚れで狂っていくのだが、うだるような、息が詰まるような暑さと照柿の色に包まれて抜き差しならない状態になっていく合田と達夫の関係性の方が物語の主軸に思える。達夫からみた合田、合田からみた達夫の描写が、自認と他者から見た自己の像の乱視のようなブレを浮き彫りにしていて、巧いなあと思う。国語のテスト用紙の裏のメッセージから電話にかけてのシーンのドラマチックさにも身震い。
中盤のダンテの神曲くだりは記憶に残っていたが、最後の加納からの手紙で回収されているのは記憶になく。鮮やかだ。