"まどろみ消去" 2026年5月6日

@s_ota92
2026年5月6日
まどろみ消去
p25 「「確かにそう……、一人だけで良いから、誰か他の人に、自分の生きているところを見てもらいたい、と思うことはありますよ。独りで生きていて、一番困るのは、そんなときです。夫婦や、親子、誰でも良い、すべて同じです。誰もが、自分がこうして生きているところを、自分のすぐ近くで誰かに見守ってほしい。そう思うものです。別に大した生き方をしているわけじゃありませんけどね。まあ、それはたぶん、人間だけにある弱さってやつでしょうね。僕のような立場では、本当は、こんな話をしてはいけないんですよ。ちゃんと、お釈迦様がご覧になっているって、そう言わなくちゃあね。」」 p52 「ここで、毎日、窓を開けて、本を読みます。静かに一日中、本を読むの。」 p76 「「神様に、少しずつ少しずつ、いただいた自分の命を、お返ししているんだね?」」 p77 「「でも、考えると悲しいことばかりだから。」」 p108 「どんな問題でも、顔色一つ変えないで解決してしまう、架空のスーパ・レディ、京野サキに、彼女は嫉妬していた。」 p116 「こうして、遠い国から帰ってきた今も、夫は、サキの近くに本当にいるわけではない。」 p124 「「自分でもわからないんですもの、聖一郎さんにわかるはずがないわ。そうでしょう?理解できないことだってあるのよ、世の中には……。なんでも、数学みたいにはいかないのよ。」」 p177 「名前はとても大切だよ。うん、人間って、結局さ、自分の名前のために生きているといったって良いと思うな。」 p201 「まあ、そんなのも、別に良いの。今でも、大好きな私のダンナ様。」 p207 「「もう少し文法的に的確な副詞と接続詞を使ってしゃべってもらえませんか。あの、それに、私のこと厚顔部員って誰が言っているの?」」 p223 「「みんなには悪いけど、私、駄目なんだ。つまらないミステリィに対する憤りだけは、絶対に隠せないの。もう、本気で頭に来ちゃうから。」」 p227 「「結局のところ、他人どうし……かな。」」 p228 「「私の名前、使わないでほしいなあ、変えてもらえない?」萌絵は座ったまま腕組みをしている。「いや、だから、カタカナにしてあったでしょ。」」 p233 「ミステリィツアー真夏の夜の夢 素敵な謎へのいざない」 p240 「近づいて、フカシとヨーコが手を振ると、西之園萌絵は、両手を顔の横で広げてみせた。人類は十進法を採用しました、というジェスチャではない。」 p242 「つまり、極めて意図的で、幾何学的、人工的な位置配置といえる。「言っておきますが、質問は一切受け付けません。皆さんが観察したものがすべてです。よーく見て下さいね。」」 p247 「二、ヨーコは浜中フカシが好きだ。それは萌絵も知っている(だろうとヨーコは思う。しかし、以前につき合っていた恋人と別れたことをヨーコは萌絵にまだ話していない。これは、一の条件と矛盾するが……)。」 p248 「五、萌絵は十歳以上も歳上の講座の助教授に首ったけだ(まったく、これだけは親友の趣味を疑う)。」 p248 「人間とは、自分の希望とは関係なく、余分で不必要な計算まで無理にしてしまうものらしい。」 p259 「「私、今日は、ちゃんとコンタクトしてきましたから。」」 p262 「「あ、それともやっぱり情報量の多さが禍いするのかしら。そういう意味で、ミステリィの探偵というのはローパスフィルタみたいな存在なのね。読者のようなメタな視点を探偵に与えてしまうことは、そもそもミステリィのリアリティと矛盾するけれど……。」」 p266 「「あんたが教えてくれないつもりなら、私、犀川先生に相談しちゃうもんね。」」 p272 「「ああ、確かに、二十八人分は消えたね。」」 p273 「「惜しかったね、その人形、燃やしてしまってさ。僕、見たかったなあ。」」 p282 「みんな、淡々としている。それが現代の魔法の呪文。タンタン、タンタン、タンタンタン。みんな、平凡にしている。ボンボン、ボンボン、ボンボンボン。これで良い。」 p292 「自分が何者で、どこから来て、どこへ行くのか。」 p353 「もし誰かが、キシマ先生はどんな人物かと尋ねてきたら、僕は間違いなく、先生はとびっきりの天才で、尊敬に値する学者だと答えるだろう。」 p356 「僕の座っていたすぐ前の席で、「キシマの方がエキセントリックだ」と囁く声が聞こえたけれど、僕はキシマ先生は凄いと思った。」 p357 「そのときの印象が強くて、僕はキシマ先生のことが決定的に好きになったし、この「学問には王道しかない」という先生の言葉も、それから永く僕の頭に残った。」 p358 「「午前零時が起床時間だ。時間の計算が楽だよ。」とおっしゃっていた。」 p370 「「なんだぁ?プロポーズ?ああ、そうだ、まあ提案したわけだな……。うん、間違いではない。」」 p374 「先生は嘘を言わなかった。先生の自信は本ものだったのだ。」 p375 「キシマ先生と話した、あの壮大な、純粋な、綺麗な、解析モデルは、今は誰が考えているのだろうか?」 p376 「でも、キシマ先生だけは、今でも相変わらず、学問の王道を歩かれている、と僕は信じている。」
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