
えつこま
@e2coma
2026年5月7日

読み終わった
17歳の誕生日を迎えた少年が、ゆる左翼からガチ右翼に転向する内面の様子を克明に描いた作品「セヴンティーン」を読んでみたくて借りた。ネットによると、本作が発表された1961年に実際起こった、右翼少年による日本社会党浅沼稲次郎殺害事件を下敷きにしているとのことだったが、巻末の解説によると事実は異なり、当時25歳の大江が本作の構想を練っているときに、現実に似た事件が起こってしまったという。そういう極めて政治的な時代だったのだよな。(実際の事件を下敷きにしているのは本作の続編「政治少年死す」の方で、同じくこの全小説第3巻に収められている)
右翼少年の物語を読みながら、私は自然と三島由紀夫を思い浮かべ、また小説の雰囲気も三島の「金閣寺」に近いものがあるなー(長さはだいぶ違うけど)と思ったところ、やはり巻末解説によると、大江と三島は10歳差ながら互いに強い影響を受けていたという(常識かもしれないけど、私は普段小説読まないので知らなんだ)。
浅沼稲次郎殺害事件については、あの有名な写真と概要しか知らなかったけれど、似たような設定の小説作品があることで、こうした少年を突き動かしたのがどんなエネルギーだったのか、あくまで想像ではあるものの、実感を伴って読むことができた。大江は左翼側の人間だったことも、より興味深い。

